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友達-22
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「…あの、ごめん。迷惑、かけた…」
突然結城くんがそんなことを口にした。
「えぇっ、全然大丈夫だよ!謝らないで、悪いのは全部あいつだし!ねえ慧悟?大丈夫だよね?」
「ああ。」
「ほら。俺らは大丈夫。それよりも結城くんが心配だよ。」
だって、あんな無理矢理…薬だって…。
「…分かってたんだ俺。逃げなきゃって最初から思ってたのに逃げれなくて…、迷惑、かけたから……ごめん…。でも、助けてくれてありがとう、…………怖かった…っ。」
やっぱり、怖かったよね。でも、助けたのは慧悟だし、俺は何も出来なかった。
「大丈夫、迷惑なんてかけてねえから。」
「そうだよ。俺達は結城くんの味方だから。」
味方だと言うと驚いた顔で俺を見る。
「あはは、そんなにびっくりしないでよ。大丈夫だよ、嘘じゃないし裏切ったりもしないから。」
安心させようとして言った言葉だったけど、だめだったかな、、?
やっぱりまだ信用できないかな。
言うだけなら簡単だもんね。こんな薄っぺらい言葉。
「あー、まだ信じれない感じ?でもそんなに心配しなくてもいいと思うぜ。こいつ簡単に嘘つくタイプじゃないし馬鹿だけど結構良い奴だから。」
「っな、馬鹿は余計だろ!!それにお前より俺の方が頭いいし!!」
慧悟が助けてくれたと思ったら俺の事馬鹿とか、!
やっぱりこいつはいつまで経っても変わらない…!!
「あはっ」
言い合いをしてると結城くんが笑った。
「今、結城くん笑った…?」
「え、ぁ、うん…」
え、初めて結城くんの笑った顔みた…
なにあれめっちゃかわいい…
「いや、あの…いっつもつまんなそうな顔しか見たこと無かったから…ギャップでやられた…。めっちゃ笑顔かわいいんだけど。見た?慧悟。」
「見た。」
もっと笑って欲しいとか…変かな。
結城くん、ふわふわしてるけど人と喋る時、いつも気を抜かないっていうか、隙を見せない。
だから今日怖かったって素直に言ってくれたのが不謹慎だけど嬉しかった。
「あのさ、結城くん!」
「な、なに…」
今朝、失敗してるんだ。
俺諦め悪いかな、結城くんをもっと知りたい。
いつもつまんなそうなその眼は何を映しているんだろう。
「やっぱり俺結城くんと友達になりたい。絶対嫌な思いはさせないから。嫌じゃ無かったらさ、友達、なってくれない、かな」
最初の言葉を言ってしまってからはもう勢いだけに任せて言った。
だって、友達なってくれる気がしない…!
これでダメだったら諦める。
「友達…、」
「……やっぱり、だめかな?」
流石に無理があったか。仕方ないかもな、
「いい、よ。」
、え?
一瞬幻聴かとも思ったけど結城くんは確かに『いいよ』って言った。
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