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1 DV→ハピエン
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DV→ハピエン
※暴力表現ありです。
※本編で祐が和樹不足っぽかったので補える物を……エロ無しです。(4章)
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「…ぅッ……ごめんなさッ、……ごめんなさぃッ……ッ………」
「なんで分かんないわけ?学習しないの?」
痛い。空っぽな胃の中から吐きそうだ。
虐待は受けてきたから慣れていた筈だった。
でも付き合い始めた彼氏は想像以上のDV男だった。
頭を守り、丸まって衝撃に耐える。
コンビニで頼まれていたものを間違えて買ってきてしまったのだ。
商品を投げつけられ、さっきからずっと蹴られ続けている。
体を重ねているときや、ちゃんと言うことを聞いているときはとても優しい。
けれど言うことを聞けなかったり、なにか機嫌を損ねることをしたらすぐに暴力を降られる。
ドジをしてばっかで身体中はアザだらけだ。
それでも別れられないのは、彼の優しさを知っているから。
ようやく蹴るのをやめてくれた。
弱い脇腹中心に蹴られ続けていてとても痛い。
息も絶え絶えで蹲ったまま彼が過ぎるのを待った。
でもしばらくすると戻ってきて、優しく抱き締め、手当てしてくれる。
「俺が厳しくするのは祐が辛い思いをしないためなんだよ?俺だって暴力は降りたくない」
思考回路が乱れた頭では、それが矛盾していると気づかない。
「痛い?大丈夫?」
今なら素直に言葉を発しても怒られない。
付き合って一週間経験して得た知識だ。
「痛……い……」
「じゃあ今日はちゃんと優しくするね」
そういって抱き抱え、リビングへ運んでくれる。
(今晩もどうせ殴られる…)
わかりきっていることだ。それでも優しくするという言葉に期待してしまう。
「じゃあ仕事行ってくるから」
そういって出ていった恋人の後を追ってお見送りする。
しないと殴られるからだ。
「いって…らっしゃい」
もちろん返事はない。
(あ…何も言わなかったけど買いなおさなきゃまた蹴られる…)
間違えて買った商品を部屋に隠して買い直しに出掛けた。
ふらふらとしながら歩いていると、家から数分のコンビニに着く。
「……これ…だよね」
つい一人言が漏れる。
「あの…大丈夫ですか?」
低めだけど聞きやすい声に釣られて振り向く。
心配そうに顔を覗き混む、サラリーマン風の男性が立っていた。
「アザが……」
あぁ、蹴られたときのアザを見たのか。
「大丈夫です…心配しないで下さい」
「……手当てしましょうか…?」
その言葉に一瞬希望を抱いてしまった。
あの人から逃げられるかも、と。
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