アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
目に見える怪我
-
4日ぐらいたつと少しずつ声が出せるようになっていた
まだかすかにとしか聞こえないが前より良くなっていることが分かった
しかし、1人で部屋から出ることができないでいる
俺は焦らなくて良いとおもってる
「なぁ、龍弥
治ったらどこかに遊びに行きたいとかないのか?」
「・・れ・・・・い」
「出れないって言ったのか?」
うんと頷く
「どうして出れないんだ」
「・こ・・・い」
「怖いのか?」
不安そうに俺を見つめてくる
「お前が、外出する時は俺か東雲が一緒に外に出るから安心してくれ
と言っても、すぐに外に行くって言う訳でもないからゆっくり考えてくれ
外に出たくなったら俺か東雲に言ってくれ」
「・・・わ・・・っ・・・た」
龍弥は分かったと返事をした
俺はギュっと抱きしめて背中をさすった
それが心地よかったのかすぐに眠ってしまった
日が経てばいつか傷は癒える
たとえ大怪我だったとしても・・・
でも心に負った傷は癒えるのにどれくらいかかるか分からない
今は龍弥が1人でも安心できるような空間を作らなければならない
そのためには急がない事だ
俺と東雲で、なるべく家を空けない様にスケジュールを組んだ
ほとんどは、俺が空けてしまうが仕事が終われば直ぐに龍弥の部屋に足を運んだ
「・・お・・・か・・・・・り・・・」
おかえりと言ってもらえて仕事の疲れが一瞬にして吹き飛ぶ
最近は、龍弥から声を掛ける事が増えた
それは良いことだと思う
そして毎晩一緒に寝ている
龍弥を抱きしめて背中を一定のリズムでトントンと手を当てると直ぐに寝てしまう
夜中にパニックを起こす事は多いが、薬を飲ませればすぐに治まる
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
27 / 72