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miseryは常日頃
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悲鳴が聞こえてきた方向へ移動した俺は路地裏から這い出て、広い場所に出ることに成功した。なんだか閉鎖された空間を歩きまわっていたせいか解放感が半端ない。
広い場所といっても大通りなどではなく小さな広場のようなもの。
いや小さな広場ってなんだか矛盾しているように思えるけど。とにかく広場に出れたけど、なんだか鉄臭い。
匂いをかぎ取った瞬間、俺の足首が何者かによって掴まれる。
やばいぐらい力が強い。ズボン越しに食い込んでくる握力は女性のものではなかった。
恐る恐る視線を下に向けると、顔面を血みどろにさせた男が瞳孔を全力で見開いて俺を凝視していた。
「ぎゃああああ!」
ホラー映画さながらのショック映像に俺は全力で叫んだ。こわっ!街中でこんなホラーじみた展開になると思わなかった!
ぎりぎりと力を込められて動けなくなった。
そして空いた右手がふらつきながら俺に向かって伸ばされた。
掴まれたら痛い目に会うと本能的に察して何とか逃げようとするがそれよりも先に真っ赤な指先が服の裾を捕らえようとしたのと同時に、男の顔面に膝がめり込んだ。
「坊ちゃんから汚い手ェ離しなよ。殺されたいの」
赤松の膝蹴りをまともに食らった男の顔の造形が表現ができないほど歪む。
思わず目をそらしたのと同時にもう一度鈍い音が鼓膜を揺さぶった。
聞いてない!俺は何も聞いてないぞ!
ぐちゃりとかめきりとか骨がへしゃげたみたいな音なんて聞いてないぞ!非日常なんて目撃してないんだからな!ひいい夢に見そう!
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