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Persons waiting
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「まーなんでもいいんだけどな。怒ってないんなら」
「何故私が貴女に怒るのです。怒られるようなことをしたのなら、逆に喜びますよ」
甲斐田の言葉はスルーして。なんだかどっと疲れが来てしまった。今まで罪悪感が占めていた胸をなでおろして俺は髪の毛をかきむしる。
「てかこんな寒い中外で待ってたの?車の中にいればいいじゃん」
「寒い中待っていたほうがいいかもしれないと思いまして。身を切るような寒さに耐えうることができるのか試されているのかと思いまして。私の愛が」
「試してねえから!お前はそう言う奴だったよなうん!」
真顔で変なことを言う甲斐田につっこみ、背筋を伸ばした。空を見上げてみると重い雲で覆われていた。どんどん暗くなりつつある太陽はもうビルの向こう側に沈みかけているのだろうか。
これ以上寒いのに突っ立っていたくない。
「んじゃ帰るか」
後部座席のドアを開けて乗り込もうとすると、甲斐田は瞳を輝かせて俺の腕を掴む。
「どうですか、まっすぐ帰らず食事にでもしに、ホテル街にでも洒落込みませんか」
「お前と二人でホテル街とか危険しか感じねえからやめとくわ!え!?なんの食事!?ラブホって飯食う場所だっけ!?ねえ!」
慌てて振り払うと残念そうに眉根を寄せられる。そんな顔されたって絶対行かない。
車に乗って走り出してもひたすらホテル街へ行こうとする甲斐田の頭を危ないとはわかりつつもぶん殴った。
あと、こいつの運転は最悪で酔ってしまったからもうこいつだけで迎えにこさせるなと言っておこう。
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