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『明日の朝一って、急すぎるでしょ~!』
本宮は心の中で叫びながら、取引先からの電話を置いて、時計を確認する。
間もなく18時半。
定時を回った繁忙期でもないフロアは、既に人が減っている。
本宮は立ち上がると、笹井と飲みの相談をしている桐島の元に向かった。
「桐島くん、悪い!!」
目の前で両手を合わせ
「明後日の予定だった会議、先方の都合で明日の朝一に変更になった。資料の手直し、まだだよな?」
と桐島の顔を覗き込む。
桐島の
「すぐに仕上げます」
という返事が頼もしく、
「助かるよ。これの担当が桐島くんで良かった」
お世辞ではない言葉が自然と口を出る。
「宜しく」
本宮は再び顔の前で手を合わせると、自分の分のデータを直すために、デスクに戻る。
桐島と笹井の頭をポンポンと撫でながら。
桐島と笹井が一言二言話し、
「ああ、また今度な。お疲れ~」
と笹井が帰るのが見えた。
桐島には悪いが、なんとなく優越感を覚える。
まあ、仕事なのだから本宮の用事を優先して当然なのだが。
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