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その身につけた象徴3
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「第七師団三番隊、これより兎討伐作戦を遂行する」
彼の宣言で、一斉に自警団の人達が兎達を弾圧していく。
「……なーんだ、国もそこまで馬鹿じゃないってことね」マーニがそう呟く。
シキが鞘を抜かずに剣を奴の額にあてる。
「………お前が何をもってテロリストになったのか、俺は知らない。知る必要もない。それは被害者を裏切る可能性があるから。
……だけど、一つだけ聞く。お前が望んだ未来は、なんだったの。」
するとマーニは自嘲気味に笑い、俯く
「……それを聞いてどうするの?」
「どうもしない。俺が知りたいだけ。」
「ふぅん、噂のダガーの隊長は風変わりだねぇ」
「噂なんてあてにならないだろ」
「まあ、そうだな。
………いいよ、教えてあげる。
……………先の戦争で、妹を亡くした。ただそれだけ。」
「………」
「国が憎かった。敵が憎かった。自分が、不甲斐なかった。だから壊そうとした。…思い描いた未来なんて無いよ、そんな大層なモンじゃないさ」
シキはマーニを真っ直ぐに見据えている。周りは怒声と銃声で騒がしいというのに彼の周りだけ透き通り冷え切っているようだった。
「僕の負け。君の勝ちだよ、こーさんします。
……聞いてくれて、ありがとう」
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