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【認識 深谷side】
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【認識 深谷side】
「図書館寄りたい」
放課後。
「えー。お弁当箱買いに行こうよ」
ロッカーで水野と一緒になる。てか、学部も学科も一緒だし、なんならさっきまでの授業も一緒に受けた。
「あっ……………うーん、でもなあ……」
「…………」
「…………水野さん、あのですね、……………今日返さなくちゃいけないのと、今日借りたいものが………あってですね……」
おずおずと水野に言う。お弁当。食べたい。水野の料理、好き。あとお弁当、楽しみ。好き。
でもやらなきゃいけないこと。ある。
「…………僕の独断で決めていいなら勝手に選んじゃうよ?」
水野は不機嫌になるでもなく、ちょっと小首をかしげてから言った。
「水野大好きありがとうお前の目に狂いはない宜しく唐揚げ」
「唐揚げね」
「唐揚げぇ!」
親指立てて水野と別れ、図書館へ行く。あいつに任せたら、たいがいのことは大丈夫だ。生活費、食事、掃除、俺に無理のない範囲でやらせてくれるし、教えてもくれる。俺って味噌汁作れるイキモノだったんだなあ。感動だよ。お弁当箱も任せよう。そういや、何基準でどう選べばいいんだろう。知らん。俺の手作りお弁当知識は幼稚園で止まってて、あとはコンビニ弁当とかチェーンの弁当屋とかのイメージしかない。小中は給食だったし、高校は………そもそもあんま行ってなかったし買い食いばっかだった。
今日返さなきゃいけない本を返して、今日の授業で知ったことを更に詳しく調べる。大学の授業って楽しい。学ぶってすごい。頭の中が広がる感じ。
ついでに世の中には本当にホモとかいて、ここ図書館なのにチューとかしちゃうんだウワアーってのも体験する。
えーと、えーと、浅原? だっけ?
そんでもう一人は知らない人だ。ウワアー。
アワワー。
ま、俺にはどうでもいいことだけど。
つーか他人のベロチューって、生で見ても気持ち悪くないんだな。
えーと。本どこだ。本。
お目当ての本を見つけて、その横の本も面白そうで手に取る。中身をパラ見する。うわあ。楽しい。……あ、こっちのも面白そう。………あ、あれも。………くそ、これだから大学の図書館は。エサばらまき放題か。ここは脳のスイーツパラダイスか。罠に嵌まるな、俺。今日は早めに帰るのだ。水野がお弁当やってくれんなら、風呂当番とかゴミ当番とか代わりにやりたいし。
そうだ、料理の本とかないかな。俺でもできそうなやつ。
「……深谷くん」
「うぉあ」
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