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【飛沫 浅原side】
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【飛沫 浅原side】
「そういうアイス、食べたことない」
成海の発言は周囲をざわつかせて、王子様説が囁かれる。
「ピノは」
「ガリガリ君は」
「スイカバー」
「パピコ」
「せ、せめてハーゲンダッツ」
は? って首を傾げて、成海は涼しげに微笑む。あーあ。爽やかに見えても、そいつ今内心怒ってるからな。からかうのもほどほどにしとけよ。
大学の中庭で、水鉄砲ぶちかまして遊ぶ大会。
……………二十歳超えてる先輩らのほうが、真剣だしはしゃいでるのはどうしてなんだろう。
きっちり作戦とか立てちゃって、サバゲーじゃないんだから。
走り回って疲れたので、日陰から頑なに出ない成海のそばでスポーツドリンクを飲む。暑い。
夏の本番は、まだ先だってのに。
「………………日陰にいんのに日傘必要?」
「紫外線が当たる」
「いやここ日陰ですけど」
黒い腕まである手袋をしっかり嵌めて、成海は傘を持っている。なんのための半袖だ。あとマジで、日陰にいる意味。
他の女子は諦めて、快晴の芝生で転げ回って水を浴びて、日焼け止めを垂れ流している。あー。濡れたティーシャツが透けて、えろい……………………男っていいなあ。ブラとかキャミとか着てなくて。
「誰見てんの」
「んー?」
深谷。
「どこ見てんの」
「乳首透けねーかな」
「最低」
参加ルールが白いティーシャツなので、女子はそれなりに気を付けてるし、男はなんも気にしてない。天国か、ここは。
「あづー」
荷物番。休憩所。成海のいる日陰に、入れ替わり立ち代わり人が来て、水分を補給したり保冷バッグからアイスを取り出して食べる。
「先輩ティーシャツ何枚持ってきてんすか」
「え、5枚」
「一昨年10枚くらい使ったよな」
「あー。だってあれ色水でやったじゃん」
「男しかいなかったからな」
呼ばれて、俺はまた参加するか、とストレッチする。
「あづー」
あ、深谷。
「浅原ぁ! 早く!」
「はーい!」
あー、くそ。
喋りたかった。
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