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勘違い
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凛月がいなくなってからもう2週間が経つ。
凛月が出ていってから、俺は勘違いをしていたのだと気付く。
「凛月くんに怒ったって言ってたけど、何して怒ったの?」
「帰ってきたら、パソコンを落として壊れたって...でも結局コンセントが抜けただけだった。会社の資料作成が最初からやり直しになって、それで...」
「それだけで出て行くほど怒ったの?」
「俺、最近凛月が奏斗奏斗ってずっと言ってたのにイライラして...」
「は?それで当たったって?最低だよ、嫉妬で当たるなんて」
「膝を少し擦りむいてたから、多分走ってて引っ掛けたんだと思う。パソコンを落とした理由を聞いたら、奏斗と約束だから言えない、秘密だって言われて、こんな時まで奏斗かよって腹が立って...ほんと最低だ」
奏斗が目を見開く。
「そっか、そうだ。楽しみにしてたもんね...」
「...なんだ?」
「今日がその日だね。約束破るね。ごめんね凛月くん。」
奏斗は一瞬、酷く辛そうな表情をした。
「ん?」
「...凛月くんと、慧の誕生日のサプライズを考えてたんだよ」
誕生日...そうか...俺、今日が誕生日だった。
「誕生日...」
「誕生日はプレゼントを贈るんだよって教えたら、凛月くんは、何も持ってないからあげられないって言ってた。じゃあ折り紙折ってプレゼントしようって話になって、いっぱい教えて欲しがってた。」
「奏斗が来るか毎日聞いてきたのは...まさか...」
「多分折り紙を教えて欲しかったんだと思うよ。慧のこと大好きだったんだよ」
涙が出た。凛月はずっと俺の事を思ってたのに、俺は勘違いして凛月に当たって...
何やってんだろ、ほんと馬鹿だ。
「凛月くんね、手紙まで書いてたんだよ...」
奏斗が、俺の家の使っていなかった引き出しから手紙を取り出してきた。
「凛月くんに怒られちゃうかもしれないけど、読んでみて」
___________
しんどうさん おたんじょうびおめでとう
いつもありがとうなの
ぼく ここにきてから とってもたのしい うれしいの
おいしい おしえてくれて ありがとう
おやさい おしえてくれてありがとう
とまとは おぼえたの
しんどうさんといると あんしんする
ぽかぽかする
こわくてなんだかわかんなくなっちゃったときも いやだってあばれちゃったときも しんどうさんがだいじょうぶってしてくれるとおちついたの
しんどうさんが いつもほめてくれるの すごくうれしいの
しななくていいよって はじめていわれたの
しんぱい してくれて ありがとう
りょうりもおしえてくれて ありがとう
しんどうさん だいすきなの
いままであったひとのなかで いちばんだいすき
りつ
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