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点滴
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凛月が目を覚ました。
痛み止めが効いているのか、呻く事はなかった。
「ぁ、ぁ、...ゃ、ゃぁっ......」
ぼーっとしていたかと思えば、酷く怯えた様子になる凛月。
凛月の視線の先には点滴のパックがあった。
腕に刺さってる針を怖がっているのではないように思う。
「んー。点滴のパックが怖いのかな?」
「なんでだ?」
「それは凛月くんに聞かないとわかんないけどさ」
「ゃぅ...りつ、り、つ...こわ、」
奏斗が凛月の視界に入らない位置に点滴の台をずらす。
「だっこ、...だっこ...」
あまり力が入らないのか、両手を少しあげてはパタンと落ち、また少しあげて落ちるを繰り返している。
「うーん、今起き上がらせて抱っこは厳しいかな...可哀想だけど...」
「そうか...」
それなら、と動かし続ける凛月の手を撫でてやった。
しばらく撫でていると、凛月がまた呻き始めた。
「あ"う"...う"ぅ"...」
「痛み止め切れてきちゃったかな。辛いね」
「う"、う"っ、っぇ...」
凛月の喉がコポリと鳴った。
「横向こうか、触るね」
奏斗が凛月を横に向かせると、凛月の口からは透明な液体がほんの少しだけ出た。
「出る量も少ないし、胃液が透明ってことは何も食べてないんだろうね」
凛月は、最初に出会った時よりも痩せていた。
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