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検査
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車椅子で連れられて来た少年、実際には青年な訳だが、歳の割には随分と華奢で、とてもそうは見えない。
「望月凛月くんだね、ここに寝れますか?」
「ん"ん"...う...」
凛月くんは呻くばかりで動かない。
「先生、自力では立ち上がれないようなので、私がやりますね。...凛月くんごめんね。ちょっと動かすよー」
「うう"、う"...」
「これは凛月くんの耳を守るための機械だから外さないでくださいね?終わるまでじっとしててください」
耳に防音用のヘッドホンを着けさせてから凛月くんを1人残し、機械を動かすため、検査室と繋がるガラス張りになった部屋へ移動する。
ボタンを押して機械を動かし、凛月くんの様子を確認する。
MRIの機械音が鳴った途端、凛月くんが身体を丸くした。
これでは検査が出来ない。
一旦機械を停止して、凛月くんの元へ向かう。
「あ"、あ"、あ"、」
「凛月くん、大丈夫だから、動いちゃだめですよ」
凛月くんが落ち着いてから、もう一度検査機を動かしたが、何度やっても身体を丸くしてしまう。
可哀想だけど、拘束するしかない。
手足や腰、頭を動かさないよう固定した時、手足の細い擦り傷に気付いて、申し訳なくなった。
「ごめんね。しんどいし怖いよね。すぐ終わらせるのでちょっとだけ我慢してくださいね」
機械を動かすと、拘束で身体は丸く出来ていないが、全身に力が入っていた。
手はぐっと握られている。
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ああぁぁ!!!」
MRIの機械音に混じって、凛月くんの絶叫がはっきりと聞こえた。
繋がってはいるものの、一応防音になっているのに。
「う"う"あ"あ"あ"!い"あ"い"い"い"いぃぃぃ!!!」
叫ぶ凛月くんにしてやれることはなるべく早く終わらせてあげる事だけだった。
凛月くんはしばらく叫んで、痛みのせいか気を失った。
本来なら30分程度で終わる検査だったのに、1時間もかかってしまった。
「ごめんね。痛かったね」
意識の無い凛月くんにそう言って、拘束を解いた。
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