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ごはん
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髄液検査の結果、やはり凛月は脳炎にかかっていることがわかった。
意識もはっきりしてきて、今日からは点滴での栄養摂取をやめ、食事をとる事になった。
奏斗はちょくちょく病室に来ては凛月に絵本を読み聞かせたり、凛月と話をしたりしている。
「せっかくいるしカウンセリングもしてみる?」と言われてカウンセラーにも来て貰ったものの、カウンセラーを見た途端凛月はパニックを起こして出来ずじまいだった。
そろそろ昼食の時間だ。凛月の身体を起こしてやらないと。
「凛月、ベッド起こすぞ?」
「うん」
凛月は窓の外をじっと見つめていた。
昼時、奏斗が食事の乗ったお盆を持ってきた。
「凛月くーん!今日からやっとごはんだよー!いっぱい食べて元気になろうね!」
奏斗が凛月の前にお盆を置くと、凛月が不安そうに俺を見る。
「どうした凛月?何かあったか?」
凛月は口を噤んで瞳を揺らす。
量は食べられないにしろ、食べること自体は比較的好きなはず...
真っ白いお粥に少量の焼き魚と胡麻和えが並ぶ。いかにも病院食って感じの見た目だ。
家で食べさせていたのは卵粥だから、得体の知れない飯で嫌なのか?
「今日は初日だから少なめにしてあるよ。今日はちょっと味気ないかも」
「病院食が味気ないのはいつもの事だろ?」
「そんなことないよー!美味しいのだってあるんだから!」
「そうなのか?」
「そう!焼きそばとかカレーとかもあるし、色々種類あるんだよ」
「へぇー」と言いながらスプーンでお粥を掬い凛月の口の前に持っていく。
「ん、、ん、、、」
凛月は口を開けない。
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