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「脱水になると怖いから水飲んでほしいんだけど...飲めるかな?」
「凛月、飲めるか?」
水の入ったコップを凛月に見せて、飲ませようと口に近付ける。
「ひっ、、、あ...!あぁ!や!」
「どうしたんだよ凛月?」
また凛月がパニックを起こした。
「口に入れたくないのかなぁ...水がダメなのかな...」
「ゆるして、ひっく...く...ください、」
ボロボロ涙を流す凛月を落ち着かせる。
「う、ぇ...っふ...んっ...」
再びえずく凛月を見て、奏斗が袋を渡してくれた。
「ちょっと今日はまだ点滴でいこうかな。準備してくるね。1人で大丈夫?なるべく早く帰ってくるけど」
「ああ、だいぶ落ち着いてきてるし大丈夫だ」
「おっけー、行ってくるね」
凛月は、奏斗が病室を出ていく音にも身体を震わせる。
「神童さん、だいじょうぶ、して...」
「いいぞー、大丈夫。大丈夫」
凛月の頭をゆっくり撫でながら大丈夫と唱えてやる。
凛月はこれが落ち着くらしく、不安になるといつもこれをせがんだ。
「ごめんなさい、ぼく、、生きてて...めいわくばっかり...もらった服も、やだってしたのに、、いっぱい破れて取られちゃったの...」
凛月の手は震えていた。
発見した時の凛月は一切衣服を身につけていなかった。
身体にはたくさん切り傷があったし、もしかすると服を守ろうとして切られたのかもしれない。
「凛月は生きてていいんだぞ、服だって別のもある。今着てるのだって凛月のパジャマだろ?」
「わかんない、ぼく、なんでいるのか、わかんない...どうしたらい、か、わかんない...」
凛月はどうしたい?
そう聞きかけて、もし"死にたい"と言われたらと考えると怖くなって、何も言わず撫でてやることしか出来なかった。
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