アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
琴畑 帳
-
ピピピッ
「ん……」
ゴソ…
朝6時。
いつもの朝。
帳(とばり)は朝のあまり自由ではない体を無理矢理起こし、ベッドの上であぐらをかく。
そして自分の手を見て思う。
あのまま死んでれば良かったのに。
帳の体には包帯やガーゼといったものがたくさん巻かれていた。
「はぁ、いてーなこれ。……早く下行こ」
帳の家は一般家庭よりも少し裕福で、家は3階建て。そして彼の部屋は3階にある。朝日が気持ちいい部屋。朝から陽の光と目覚ましで目を覚ます。
こんな生活のお陰か、朝起きるのが気持ち良くなった。
朝の6時、母の台所で料理をする音が聞こえる。
「母さん、おはよ。今日ちょっと早く学校行くね」
「あら、帳おはよう!分かったけど…怪我はもういいの?」
「…ぁ、うん。もう大丈夫だよ、ありがとう」
そう言って帳は母に微笑んだ。
もちろん痛くない訳では無いが、心配をかける訳には行かない。母は精神をやられているからだ。
「そう…?」と言って母はまた台所の方へ向く。
昨日、新学期が始まった。
そして帳は高校2年生になった。
が、運悪くいじめっ子で有名な有名会社の御曹司の姫崎 奏と同じクラスとなり、帳のその容姿のせいで、目をつけられてしまった。
そして、奏の部下たちに、階段から突き落とされてしまったのだ。しかし幸いにも、帳の親友の絢斗が直ぐに見つけてくれたおかげで大事には至らなかった。
「じゃあ、行ってきます。母さん、今日こそちゃんと病院行ってね!」
そう言い残して帳は学校へと向かった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 33