アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
心配
-
「それで!!あの子は、帳は今どこにいるんですか!?大事な息子なんです、私たちの息子なんです!!早く見つけてくださいっ!!」
そう叫ぶ一人の女性と、彼女を落ち着かせるように背中をさする男性。帳の両親だ。
帳の捜索願を出すために、彼らは警察署へ行った。しかし捜索願を出すのにも、捜査が行われるのにも、時間がかかると言われ、元々精神が弱い母は先程のように叫んでしまっていた。
「ほら、これ飲みなさい」
そう言って父が渡したのは彼女の精神安定剤。今朝病院で貰ってきたものだ。
ゴクン
「……ありがとう…」
「大丈夫かい?」
「うん…」
よかった、と胸をなでおろし、落ち着いているように見える父だが、内心は不安と心配が根を張っている状態だ。決して落ち着いている訳では無い。
「とにかく、息子さんを心配する気持ちはわかります。我々も出来るだけ早く調査に入れるように致しますので、本日は一度帰って頂いて、心を落ち着かせてください。奥さんには休養が必要です」
「…っ、でも…」
「大丈夫だ、お巡りさんが帳をきっと見つけてくれる!」
「っ………そ、うね、信じましょう…」
「ああ」
そうして彼らは警察署を後にした。
「それで、はるちゃん。どうするの?これから。帳君を探すにしても姫崎はガードが固いので有名よ?」
そんなことは言われなくても分かる。見取り図と一緒に送られてきたセキュリティのデータには、トラップなども全て載っている。
「知ってる」
「じゃあなん…で……あ!」
「ここだろうな」
遥が美琴に見せた場所は、ひとつの地下室。一見ただの地下室だが、少しおかしいところがあった。
「ここだけ行くのにトラップ多すぎない?」
「あぁ、そうだ。ここだけ異様に厳重だ。多分ここに帳はいる。行くぞ」
「「「「「はいっ!!!」」」」」
そこにいた構成員たちは一斉に返事をした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
18 / 33