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◇
秋を病室のベットの上に寝かせ、俺は起き上がって秋の頭を撫で続けた。
暫くしてノック音が聞こえた。
「はい」
「警察の者です。昨晩の事件について話を聞きたいのですが……」
「静かにお願いしますね」
なんせ秋が寝ているのだ。
目の下に隈が出来ていたからきっと昨日は寝れてないんだろう。
「わかりました。早速なのですが-----」
2時間に渡り質問をされ、順番に答えていくと、「ありがとうございました」と言って帰っていった。
交代するように看護師が入ってきて、秋を見て頬を膨らませた。
「髙梨さん、ダメですよ?傷口もまだ閉じてないんですから」
「しーっ、今日だけ。お願い。昨日寝れてないみたいだから」
「仕方ないですね…はい、夕食です」
「ありがとうございます」
夕食を受け取り、食べていると秋が目を覚ました。
寝はじめて3時間ほどだ。
もぞもぞと近づいてくると、腰に抱きついた。
「眠れた?」
まだ眠そうにこくりと頷き、次第に目が覚めてきたのか、勢いよく体を起こした。
「ごめんなさいっ!傷痛いのにベット取っちゃって…っ」
顔を真っ青にして慌ててベットから降りると、頭を下げた。
「いいよいいよ。昨日寝てないでしょ。目の下に隈できてる」
すると恥ずかしそうに下を向いた。
「じゃあ…そろそろ俺もお腹すいてきたから帰る。明日昼まで大学だから、帰りにここ来る」
「ありがとう。勉強頑張ってね」
笑顔で手を振ると、ちょっぴり恥ずかしそうに小さくヒラヒラと手を振って病室を出ていった。
「ゲホッ!ゲホッ!……ぜぇ…はぁ……」
口元で押さえていた手を見ると、血が付いている。
「あちゃー…これはそう簡単に退院できなさそう」
少し朦朧とする意識の中、ナースコールを押して看護師を呼んだ。
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