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「あーきー」
伍さんの晩御飯作りを柚希さんの後ろから見守っていると、お風呂から上がったひろとさんがリビングにやって来た。
「はいおしおきー」
そういって俺の脇の下に手を忍ばせて持ち上げると、足が床から離れた。
「柚希君こちょこちょしていいよ」
悪い顔した柚希さんが迫ってくる。
「ま、まってまってっ、まっ、あひゃっ」
容赦ない擽りに身を捩るが、足がついていないため抵抗できない。
ぐったりと息を切らすまで擽られ、体力を大幅に削ってしまった。
「なんの…お仕置き……はぁ……はぁ……」
「えー?柚希くんに抱きついてたから」
確かに背中にもたれ掛かっていたかも知れないが、ひろとさんの判定が厳しすぎる。
「仲いいねぇ」
炒め物をしている伍さんに言われる。
「でしょ」
抵抗できないのをいいことに、抱き締められる。
「ぬいぐるみ買ってくれるの?」
「勿論。何がいい?」
「あのデカイクマのやつ」
「何色?」
「んー…普通に茶色」
「りょーかいっ」
そのままソファーに連行され、膝上に乗せられた。
「そういえば結婚式どうしようね」
「子供もどうするか決めなきゃ」
「子供は作るに決まってるじゃん」
そういって俺の下腹部を撫でた。
「こんな細いお腹に赤ちゃんなんて入るのかな」
失礼な、と思うが、実際自分も未知の体験で不安だ。
「なーアツ君。俺らも結婚して赤ちゃんつくろーよ」
「んー、まずは家買わなきゃじゃない?」
「そっか。じゃあ俺沢山仕事取って働く」
「頑張れよー未来のパパ」
「パパ…っ」
その言葉に目をキラキラさせている柚希さんを見て、こっちまで微笑ましくなってしまった。
「まぁもう結婚式の会場とかは手配してるんだけどね。あとは…秋のはドレスがいいか、たきしーd」
「タキシードっ!」
ひろとさんが言い切る前に振り向き、目を輝かせて言った。
「えー…ウエディングドレス着てほしい…」
「やだ。なんで一生に一度の結婚式で恥かかないとけないの」
「身内だけのこじんまりした結婚式だからさ?」
「あ…挨拶いかなきゃ…」
思いだして顔を真っ青にしていると、ひろとさんが笑顔で言った。
「あぁ、それなら今度帰るって言ってあるから」
「……どうしよ…胃が痛くなってきた…」
痛む胃辺りを抑えると、柔らかい唇が重なった。
「大丈夫。両親とも偏見ないし、むしろ受け入れてくれる筈だよ」
その言葉に少し安心したが、差し入れは何を持っていこうか、服は何を着ていこうかと迷ったのであった。
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