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言えない。(fj←ky←ksk)
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ふわふわとそこら中に花びらが舞っている。
結婚式なんて久しぶりだな…
花のいい匂いがして、俺は大きく息を吸い込んだ。
その場のみんなの視線の先にいるのは、珍しくカチッとした黒いスーツに身を包んだ長身の男。
「あーなんだ、俺こういうの苦手なんだよなぁ…」
キヨは言いずらそうに頭をかいて、新郎の方を向いてにやっと笑った。
「長生きしろよ。」
そしてそのまま台を降りた。
「え!?それだけ?wお前の俺に対する扱い酷いなぁ」
新郎の鋭いツッコミに、会場は笑いに包まれる。
俺は満足げに近づいてきたキヨを小突いて、かわりに台に上がる。
「すみません友人代表挨拶が10秒で終わってしまって。気を取り直して、フジ。結婚おめでとう」
白いタキシードに身を包んだフジがへらっと笑った。
「ありがと、こーちゃん」
隣に座る花嫁さんと幸せそうに笑い合うフジ。
今日は、フジの結婚式だ。
「とうとうフジが結婚しちゃったかー。次は誰だろうね、俺たちの中で結婚すんの」
ヒラとキヨが不満げに頬を膨らませる。
「さあな。てかあいつあんな綺麗な人手に入れやがって。なぁこーすけ?」
「まぁ高校の時からそうだったから、予想はできてたけどな」
タタタッと音がして後ろを振り返ると、フジが手を上げながら走ってきていた。
「よ、お前らなんか俺の悪口言ってなかった?」
「んーん、気のせいじゃない?」
「ならいいけどさ。あ、キヨ!お前もうちょっと挨拶の言葉伸ばせなかったのかよ?!」
「はっ、お前に言うことなんかねーよ!!あんな美人さんと結婚しやがって。」
キヨが、べーっと舌を出し、フジを煽る。
フジは困ったように笑って俺とヒラの方を向いた。
「ヒラもこーすけも。ありがとね」
「何言ってんだよ。お前の人生で1番大切な日だろ?」
そう言って肩を叩くと、フジは照れたように少し笑った。
「俺を無視すんな!」
「いてっ」
キヨが、フジの頬を引っ張る。
それを見てヒラが可笑しそうに笑った。
「〇〇君」
俺らがいつものようにじゃれていると、後ろから鈴の鳴るような声が聞こえる。
「あ、」
フジがその女の人の名前を呼んだ。
真っ白のドレスを着た、とてつもなく綺麗な花嫁さん。
「ふふ、キヨさん、ヒラさん、こーすけさん。こんにちは、お久しぶりですね」
「今日の主役の前で悪いな、見苦しいとこ見せちゃって。」
1番前のキヨが答える。
フジが小さく「俺は…?」と呟いたが、キヨにはスルーされた。
「ほーら何やってるんですか、挨拶にまわりますよ。」
花嫁さんの差し出した手をフジがとる。
「ごめん、俺ちょっと挨拶にまわってくるべ。ヒラー、付き合ってくれない?」
「おっけー」
3人が離れていく。
それをじっと見つめるキヨに、俺は話しかけた。
「それにしてもキヨ、あの挨拶はさすがに酷すぎないか?5分はもたせてって言ったろ」
「でもこーすけがちゃんと俺の分喋ってくれたじゃん」
「だいたい予想はできるからな」
「さっすが俺の相棒。」
『相棒』の言葉にちょっと心が痛む。
…俺は多分、キヨのことが好きなんだと思う。
それも結構前から。
でもキヨはこういうの嫌いだろうし。
普通に考えても男が男好きってキモイよな…。
そんなことを考えながらキヨの綺麗な横顔を見る。
「…今日の」
「え?」
「今日の佳き日が来ることは、高校時代、いやずっと前から知っていました。」
…おお。
「この世に2つのピースだけのパズルがあったとして、
その作品が完成するととてつもなく美しい作品になる事ぐらい、
いくつもゲームをやってる俺からすると、すぐに分かることでした。
左右のピースはきっと貴方たち2人だったのでしょう。」
へぇ、ちゃんと考えてるじゃん。ちょっと日本語変だけど。
「それいえば良かったのに、なんで」
「しかし」
「…?」
キヨが、俺の言葉をさえぎる。
「俺は今までの人生の中で、1度だけ考えてしまったことがあります。…もしも」
もしも?
「もしも、俺が女だったら。このパズルのもう片方になれたのではないか、
今ここから違う景色が見れたのではないか、と。」
遠くで笑っているフジを見て、キヨは愛しそうに目を細めた。
そういえば、キヨが、花嫁さんのことを名前で呼んでるのを聞いたことがない。
同じ高校出身なのに。
フジが好きなんだ、キヨは。
「…キヨ」
「なんだよ」
「酒飲も?」
キヨは少し驚いた顔をして、それからふにゃりと笑った。
「今の話墓まで持ってけよ?」
「安心しろ、誰にも言わない約束する。」
「さんきゅーな、こーすけ。」
俺を見て微笑むキヨに、また心が痛む。
…ごめん、キヨ。
お前は辛いはずなのに。
嬉しく思ってしまう俺を許してくれ。
end
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こんにちは、ゆきみかんです。
「言えない。」endですありがとうございましたぁ!!!
今回はpixivの「よいち」様のコピペネタです、、、
本家様のはDr.STONEのネタだったんですが、もう見た途端キヨとこーすけにしか見えなくて←
なんか分かります?読んでる時に心臓がぎゅーってなるって言うか(語彙力)
はい、次はお待ちかねレト×キヨです!!!!!
先言っちゃいますが、題名は「はちみつレモン」です。
前回も言いましたけど、声の出なくなったキヨの話です!!
タイトルのとおりあまっあまにする予定!
お楽しみに!
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