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過呼吸2 SideR
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sideR
指輪っていいよなあ。
唐突に隣に座っていたキヨくんが呟くもんだから、おれは思わずいじっていたスマホから顔をあげた。
「なあに突然。指輪って結婚指輪?」
「そーそ。最近同級生の結婚式の招待状がすげえ届くんだよ。それ見て改めて指輪っていいなーって。
なんか愛が形になった感じがして良くね?」
愛が形に、ね。
その首筋につけられた無数のキスマークはあいつなりの愛の形だと思うんだけど。
本人に自覚がないあたりキヨくんらしいな。
「昨日うっしーのとこ行ったん?」
「え?あー…ん、行った。レトさん予定あるって言ってたからうっしーがいいかなって」
少し声を低くして問うと、キヨくんは驚いたようにこちらを向き、肩をすくめてみせた。
怒った?なんて困ったように首を傾げるもんだからすっかり責める気も失せて、無言で腕を広げる。
まぁ元々おれにキヨくんを責めることなどできないのだけれど。
この関係は同意の上で成り立っているから。
すぐに股をひらくビッチ、だなんてうっしーは言うけどそれは表現違いだとおれは思う。
キヨくんは小さい頃の環境も極まって、そういうふうに育てられてきたのだからしょうがない。
股をひらくんじゃなくて、おれたちの愛を求めているんだ。
「…?レトさん、、?」
おれの腕の中におさまって上目遣いで見上げてくるキヨくんの瞳が揺れる。
その目が2人の男の鋭い目を思い出させて、俺は慌ててそれを頭から振りはらった。
「きーよくん。俺なら指輪よりいいものあげられるでー?」
くすっと笑いながら言うと、キヨくんの口も綺麗な弧を描く。
「最っ高♡」
────────────────────
顔にかかった髪をすくいあげ、長時間の行為で疲れて眠ってしまったキヨくんの顔を見つめる。
相変わらず整った、でもどこか愛嬌のある顔立ち。
誰かがジャニーズの〇〇君に似てる、とキヨくんを見て言っていたのをぼんやりと思い出した。
すぅすぅと規則正しく寝息を立てている姿は子供みたいで、自然と頬が緩んでしまう。
……んふふ、かぁわいい。
憎まれ口なんか叩かずにずっとこんなに可愛ければいいのに。
そんなことを考えながらキヨくんの手をとり、小さくキスをおとす。
肌荒れひとつない綺麗な手にひとつだけついている歯型をなぞり、おれは微笑む。
場所は左手の薬指、指輪をつける場所。
行為のあと、キヨくんが寝てしまったタイミングを見計らって毎回つけていたこの歯型。
赤く身体に刻み込まれて消えそうにない。
いつものように俺はそこに歯をたてる。
キヨくんは小さく呻き声をあげたけど、すぐに夢の中へ戻ったみたい。
……キヨくんは俺に憧れを抱いている節がある。
バレちゃあかんね、こんな見苦しいことしてるって。
でもキヨくんを取り巻く虫達には効果絶大やろ?
将来おれが貰いますよー、予約済みですよーって証。
うっしーにも、他の誰にも負ける気はしない。
きよくんの隣の席は、俺のもの。
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今回の「過呼吸」シリーズ、攻めのヤンデレ化がすごい…
今回はsideRでレトさん視点です!
私ちょっとこだわりがあって、
前々からやってるんですけど
レトさんの一人称は「おれ」にしてるんですよ。
他は「俺」なのに。
気づいていただけたかな?
あ、まだまだ続きますよ!多分次もヤンデレになるのかな?
次はsideGです!多分。
明日明後日ら辺には投稿できるかなーと!
楽しみにしてくれたら幸いです!
ではー次回!
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