アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
脱出大作戦
-
うぃーん・・・ギコギコ
「いやいや、そこでちゃんと食堂手伝うとか、王将はイイヤツだって思うぜ?」
ガンゴンガンゴン
トントントン
「この村を出る軍資金集めが、これしかねーからだよ」
ばーちゃんの趣味延長、地元民しか来ねぇ駄菓子屋兼食堂前。
俺と、夏休み限定の友にして今は同じクラスの倉知 信雄は二人でDIY中だ。
大工をしている信雄の家から廃材を貰い、霞んで見えない看板修理が本日のお仕事だ。
気を利かせたばーちゃんが、麦茶と駄菓子の入った皿を店の前の停留所に置かれたベンチに用意してくれている。
―――遡ること、一ヶ月前。
王将は、都会からの訳有転入生と言う噂も先行していたらしく編入早々に学校の有名人。
母親の遺伝による金髪、彫りの深い顔立ちに日本人離れした手足の長さに高身長、おまけに適当にその場を切り抜けてしまう人当たりの良さ。
突撃告白からメッセージ付名刺に手紙、連絡先交換を申し出る女子生徒の列・・・王将も最初はこの状況を「いやぁ、俺ってどこ行ってもモテるなっ」と喜んでいたのだが。
女の子とたまたま一緒に並んで下校しただけで、次の日には学校中に話の内容まで知れ渡る個人情報流出ぶりを知り考えを改めた。
田舎、マジ怖えぇ。
ここではとても暮らせねぇと実感した王将の目下の目標は、ばーちゃんの店で金を稼ぎここから脱出することだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 21