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3.誤解
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「おれの気持ちを踏みにじった。誘っておいて」
「誘うだなんて……」
「じゃあ、なんだよ?なんなの?おれに気を持たせたのは誰だ?告白してやったのに。断わりやがった。本当にイラつくんだよ!」
「そんな、そんなの誤解だよ」
「うるさいな!」
大河内先輩が犯していたばかりの身体。
人が触れた身体なのに。
乱暴に唇を重ねる。
郡司の口の中はあったかい。
鉄の味がする。
先輩に乱暴に扱われて、どこか切れているのかも知れない。
だけど、そんなのはお構いなしだ。
「は……っ」
逃れようとする舌を捕まえて、絡めとる。
口角から唾液が溢れ出した。
本当は、自分がしたかった。
だけど、それでは仕返しにならない気がしたのに。
こうして触れてしまうと、止まらない。
自分よりも痩せていて、弱々しい郡司をおとなしくさせるのなんて簡単。
そう思っていたのに、思わず両手で押し返されて尻餅をついた。
「ち、そんなに嫌かよ」
「い、嫌だよ!」
郡司は涙いっぱいの瞳でおれをまっすぐに見つめる。
「生意気」
「生意気だって、なんだっていいもの……おれは、こういうの嫌なんだ。だから、小平の告白断わって……」
「はあ?お前、何言ってんの?」
「お、おれは。小平が好きで」
「え?」
郡司は怯むことなく視線を寄越す。
なんだか、おれのほうがタジタジになりそうな熱い視線だ。
「ちゃんと、きちんとしたいから。だって、郡司の告白、変だったし!」
「へ、変だって!?」
変って何?
そこではったとする。
確かに。
おれは、こいつになんて言った?
あの時は、恥ずかしくて、確か……。
『おい、郡司。おれはお前が好きだ。だから、エッチさせて』
「!!?」
顔が真っ赤になる。
おれが思い出したことを理解したのか、郡司も顔を赤くする。
「おれは。小平が好き。だけど、そんな。最初からエッチだなんて嫌だし。好きなら好きで、ちゃんと順番を追っていって欲しいし……。だから『ごめんなさい』しただけなのに。ひどいよ。あれから、ずっと無視。ちっともおれのことなんて眼中にない様子だったのに。……こんなことってないじゃない」
「じゃ、じゃあ……お前」
「お付き合いはしたいと思ったのに」
独り相撲という言葉が脳裏を霞める。
「お、おれは……なんてことをしてしまったんだ。お前を傷つけるなんて……」
初めて、罪悪感に苛まれる。
おれの勘違いで、郡司を危ない目に遭わせたなんて。
心の底から悪い気持ちになる。
「ご、ごめん。郡司。あの、この償いはなんでもする。だから、あの……」
おれが申し訳なさそうに頭を下げてから顔をあげると、はったとした。
郡司の声色が変わったからだ。
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