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新学期 2
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日和side
毎日が退屈だった。αの家に生まれたαの俺。将来を約束されていて不安なことはあまり無い。手に入らないものもあまり無く、恋愛だってする気にはなれなかった。
大抵の人は俺のことを見ていない。好意を寄せてくるのは、『恋人』の肩書きが欲しい女やΩの男子だったから…。俺は俺のことをちゃんと見てくれる人で、尚且つその人が運命の番であればいいと思っていた。クラス替えでたまたま一緒になったクラスメイトの中に一人だけ目を引く子がいた。
「おはよー、日和??どうしたんだ?」
凱里の声を無視してその子の肩を掴む。驚いた目と視線が交わると確信した。彼は僕の運命の番だ…。やっと見つけた。噛みたい気持ちが湧き上がってくる…。
「……見つけた」
「…えっ?…えっーと………」
「俺の番だ」
「な、何言ってるんですか!?僕はβです!」
「………そうか…。悪かったな…」
Ωだと思ったけど、βなのか…。間違えたのか…?いやでも、Ω特有の甘い香りがする気が……。本人が違うと言うのなら俺の間違いか…。やっと見つけたと思ったんだけどな…
「…あの子なのか?」
「いや、βだと言っていた。俺の勘違いみたいだ」
「………β…?」
「嗚呼…。どうかしたのか?」
「いや、なんでもないよ」
βか…。それにしては少し細すぎる気がするけど、他のΩに比べると背は高いし、頭も良さそう。少しモヤモヤするが気にしない事にして席につく。
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