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長い一日
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日和side
βだと言っていた彼はやっぱりオメガで、クレープを食べに行った時に発情期が来た…。薬が効きにくい体質らしく甘い香りがする…。治る気配は無くて、近くにいるαが、幸に近いてくる。
守らなきゃ…
ここは外で危なすぎる。家に連れて帰ろうにも彼は動けず、何度もこけてしまった。
「悪い…」
本当ならカッコ良くお姫様抱っことかしたいが、首を見ると噛みたくなるから…。仕方なく担ぐようにして家に連れ帰った。
ヒートを起こしかけているのか頭が真っ白で、凱里に任せて部屋に入った。家の中にいてもずっと彼の香りがする…。一週間、俺はその香りに耐えづけた…。噛みたい衝突を抑えるために噛んだ自分の腕はズタズタになってしまったけど…
「凱里、……幸、怖がってなかった?」
「嗚呼…。ただ申し訳なくて会えないって感じだった…」
「そっか…」
「…Ωであることを隠す人は沢山いる。幸だってその一人だ」
「分かってる…。嘘つかれたことに悲しんでるわけじゃない……」
「……そっか」
嘘をつかれたことが悲しいわけじゃない…。嘘をつかないと俺たちと友達にすらなれない事実が悲しかっただけだ……
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