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学校一の陰キャが学校一の不良に「諸事情あって」ベタ惚れされた話
第13話 そして回り出す歯車
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ぐだぐだ言われはしたものの、結局沢田は着替えのため、一旦保健室へと行ってしまった。幸い周りの生徒は軽傷で、きちんとシミ抜きすれば取れそうで良かった。
沢田は行く途中にも「後で覚えてろよ」と何やら捨て台詞を吐いていたが、正直少しスッキリしてしまったのは秘密だ。
沢田の取り巻きの中には吹き出してる奴もいて、まあ笑いも取れたからいいんじゃないだろうか。
後々のことはまあ怖いけど……。
そんなことを考えながらペンを走らせ、ノートをとる。
この時にはもう、沢田のショッキングな事件のこともあり天宮のことは隅に追いやられていた。
そう、この時までは。
「────見つけたぞ。佐山 春」
「え?」
俺の席は窓際で、必然的に窓はすぐ側にある。
けどノートをとるために下を向いていれば当然窓から外は見えない。だから気づかなかった。
誰かが歩いて来ていることに。
視界の端で窓枠に置かれた手が映り、ようやく顔を上げる頃には、相手はもう言葉を発していた。
そう、そこにはある人物が立っていたのだ。
昨日恋する乙女のような顔をしていた、あの学校一の不良である天宮 優が────。
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