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その日(篠村視点)
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「・・・・・・」
俺は一人で廊下を歩いていた。
あーあ、やっちまった・・・。
もう、何やってんだよ俺は!
自業自得だけど!
はぁ・・・
明日は真面目に受けよう、そう心に決めて校門を出ようと歩いていると、もう帰っただろうと思われた人に声を掛けられた。
「あれ、やけに早かったね」
「へっ、剛!?帰ってなかったのか!?」
「ああ、待ってようと思って。でも一時間くらいはするって思ってたんだけど・・・」
そう言われて思わずぎくっとした。
「はははー・・・」
「・・・逃げて来たのか」
「それは違う!」
「?じゃあなんで?」
「えっと・・・・」
「?」
正直ここでは言いづらい。
場所を変えよう。
「・・・なぁ、剛」
「ん、何?」
「今日暇?」
「んー、まぁ暇かな」
「じゃあさ、俺ん家来れる?」
「良いけど・・・どうかしたのか?」
「相談したいことがあって」
「・・・そっか。いいよ、じゃあ行こうか」
・・・・・・・
「俺、さ・・・」
「うん」
どうしよう・・・
めちゃくちゃ緊張する!
でもこいつには隠し事したくないし・・・
それに、いつかは言おうと思ってたことだ。
今までは言うタイミングも勇気もなかった。
だから今がチャンスなんだ。
これを無駄にして良いはずがない。
「好きな人が、でき、たん、だ・・・」
「・・・・・・・」
「し、しかもそいつ、お、男なんだけどっ・・・」
「俺も」
「へ?」
「好きな人いるんだ、男で」
予想外の剛の発言に俺は驚くばかりだった。
「まじか!い、意外だな・・・は、はは」
「・・・・・・」
「そっか・・・なんか、寂しいな・・・」
昔の様に剛を独り占めすることが出来なくなるのかと思うと、何とも言えない気持ちにかられる。
「・・・・・・・」
「・・・・・・ぷっ!」
「!?なんで笑うんだよ!」
「大丈夫だって。賢を一人にしないから」
「なっ・・・!別にそんなんじゃねぇ!」
ったく、ガキ扱いしやがって・・・
つか同い年だろうが!!
「ホントに賢は可愛いなぁ」
「はぁ!?気持ち悪いこと言うなよ!」
はぁ・・・
なんで年同じなのにこんなにも違うんだろう・・・
「にしてもさぁ、賢の好きな人って・・・小林先生?」
「そうだけどっ!・・・って、えぇ!?」
バレてる・・・!
「な、ななななんでっ!?」
「顔と行動に出てるよ、すごく」
まじでか・・・
は、恥ずかしいっ!!
てか可愛いってそういう意味か・・・
「ま、頑張って」
「お、おぉぅ」
「おい、さっきまでの元気はどこ行った」
・・・・・・・
「よし、じゃあ俺帰るな」
「おう、じゃあな、剛」
「夜更かしはするなよ」
「ガキ扱いすんな!夜更かしはするけどっ」
全くあいつは・・・俺のこと馬鹿にし過ぎだろ。
あ、そういえばあいつを家に入れるのは久しぶりだったな。
そして俺は剛に言われた通り、夜更かしせずに早く寝ることにした。
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