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2.敵襲
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「雨依くんおはよーっ」
「おはようございます。」
「おいおい、相変わらず硬い挨拶だな青条…」
「?そうでしょうか。」
「青条って変わってるよなぁ。俺らと同い歳なのに一回り上の歳の気がするっていうか」
「分かる分かる。雨依君って纏ってる空気が不思議なんだよね、その青い瞳とか見た目も関係して余計そう思うのかも。」
「…」
ー
「ただいま帰りました。」
(…遥の帰宅はまだのようです。当然ですね、まだ時計の針が5時にもなっていません)
(さて、頑張ってくれている遥の為に料理でもしましょう。遥は卵料理と汁物が好きでしたから、オムライスとお吸い物を作って待ちましょう。)
「ただいまー」
「おかえりなさい、遥」
(…おや?何やら遥が僕を見て固まっている様子。どうしたのでしょうか。)
「遥、どうかなさいましたか?」
「…いや、毎回毎回雨依ね…玄関先で出迎えて即俺の鞄を受け取ってくれるのは嬉しいけど、でも俺たち別に新婚夫婦じゃないんだから…」
「つまり、新婚夫婦では俺たちは無いのだから、このような真似は迷惑なのでやめていただきたい、と」
「いやいや、そこまでは言ってない…!」
(ふむ…遥はよく分からない人です。)
「雨依、学校どうだった?」
(遥は洗い物をしているようです。遥は疲れているのだから、僕はすぐに休んで欲しいです。)
「どうだった?はい。空気が不思議だと言われました」
「ええっ?!」
(?何故か遥は皿を洗いながら驚いているようです。何かおかしなことを言ったのでしょうか)
「そ、それって…まさか雨依いじめられてるとか、では…ないよな?」
「いじめられてる?」
きょとんと首を傾げると、遥は僕を一瞬見て、それから、ごめん、と謝りました。
「ないよなそんなわけ…。雨依のその美貌で」
(美貌。)
「遥、僕は遥の方が美しいと思います」
「よせよ、あからさまなフォローは余計に傷つくんだから」
「フォロー?」
「そんなこといいから、早く風呂に入るんだ。明日も学校あるんだぞ」
遥は僕の前では弱音は吐きません。いつもきっちりしています。僕のことをいつも大事にしてくれています。僕は遥を裏切ることはこの先1度足りとも、無いでしょう。
「もう時間も遅い、そろそろ寝よう雨依」
遥とソファで並んでテレビを見ていると遥が時計を見ながら立ち上がってそう言いました。
「はい。」
僕はそう言って、自分の部屋に向かう遥の後ろを付いて歩いていきましたが、一緒に寝るのはもう無理!お前でかいからベッド狭くなるんだよ、と眉を寄せて言われ追い返されました。
僕は自分のがたいのいい体を恨みました。昔は遥と好きなだけくっついて寝られていたのに、今では部屋は別々。僕は遥に嫌われているんでしょうか。
じ、と遥の部屋のドアを見つめると、僕はそのまま踵を返して自分の部屋へ入りました。
その夜、僕は薄ら聞こえる遥の声に目を覚ましました。
(…ん?何か様子がおかしいです。)
僕は部屋のドアを開け何故か明かりの再びついているリビングにいる遥を見つけました。
「あんたら一体何なんだ…っ?!こんな夜更けに突然やってきて、しかも帰れって言ってんのに中までズカズカ入ってきやがってっ」
(…あれは…遥の敵、ですか?知らない男の姿が2人、見えます)
「申し訳ありません、青条遥さん。こちらに国籍の分からない青い瞳をした青年がいるとのことで、私達は早急にお引き取りをしたく」
「は…?どういうことだ」
「話はまた後ほど。それでどちらに彼はいますか」
「おいお前ら待て…っ!勝手に人の家の中を…」
(…よく分かりませんが、遥の敵に間違いはないようです。遥の表情が非常に困っている様子を確認しました。)
「どこにいる、…悪魔め!」
「おい!人の家の部屋片っぱしから勝手に開けてんじゃねーよ!それに…、悪魔ってなんだよその言い方っ?もしかしてそれは、俺の雨依に対して言っているのか!?」
「彼は人の形をした殺戮を冒す危険な存在です。10数年前何らかの誤りで彼はここに運ばれたと思われるのです」
「…殺戮…?雨依が、まさか」
「真実です。元々彼は人によって造られた、人でいて人ではないもの。さあ、彼を私達に渡してください。どこにいますか。私たちは貴方を守りたいのです」
遥は見知らぬ男の手を弾き飛ばしました。遥の表情は怒っている様子でした。
「あんたたちの言っていることが嘘だろうが本当だろうが…雨依はお前らに渡さない。人でないわけがない、あの子が」
「本気でそんなことを言っているのかっ…!いいからそこを退けっ、その向こうの部屋の中にいるんだろうっ!」
「退かない!俺は…雨依を誰にも渡さない!雨依は俺の子です、悪魔なんかじゃない!」
「…退けと言っている!」
遥が見知らぬ男に横に押され体を床に倒しました。
「少しここで待っていて下さい」
起き上がろうとした遥はうつ伏せの状態で1人の男に両腕を背に回され拘束され顔を引き攣らせています。もう1人の男はどうやらこちらへ向かってくるようです。
…僕の遥を苦しませています、許せません。遥が嫌がっています。僕の遥に、暴力を奮っている……ということですね。
「離せ…っ!この…っ」
「大人しくしていて下さい青条さんっ、私達は貴方の為を思ってー」
「俺はそんなこと頼んでないっ!俺は雨依だけが、今の俺にとって生きる唯一の理由だ…!俺には雨依しかいないんだっ…だから」
「…青条さん」
(遥が涙を流している様子を確認。男は依然と遥を拘束している様子を確認。緊急事態を確認、力の制御不可能と判定、遥の敵男2名を即刻倒します。)
「おい、さっさと出てこいっ!あく…」
(僕の遥に…手を出すな)
「…う、うわあぁぁぁああっ!!」
(男1名階段から転落。両目を負傷、骨の損傷、足の捻りを確認。)
「隊員っ…!一体なにが…」
「遥を苦しめるな、そこを退け」
「……ろ、ローモンド・ブルー…」
(敵、驚きと恐怖による体の停止を確認。心臓を撃破します)
「うっあ…っ…」
(心臓の動きの停止を確認。敵2名の制圧に成功)
「……雨依…?」
驚いた顔をした遥がこちらを見ている様子を確認。戦闘モードを解除します。
「遥、無事で良かったです。」
「雨依…この2人は…」
「大丈夫です。僕が彼らを傷つけた証拠はひとつも残っていません。」
(…?遥の表情が恐怖しているようです。)
「そういうことじゃなくて…」
「遥、何故体を震わせますか?」
(遥の感情を読み取ることができません。)
「…雨依この人たちを、やったのか、お前が…」
(遥の瞳孔が開くのを確認。)
僕は口を開きました。
「はい。僕が彼らを行動不能にしました。」
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