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リクエスト17: ロカとリシェの子どもが遊んでるのを2人が眺めている話
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ロカとリシェの子どもが遊んでるのを2人が眺めている話
※リクエスト12後の時間軸です
【side: リシェ】
セグラドルは今日も快晴。
過ごしやすい気候の中、庭のテーブルでロカ様と2人お茶をしている。
視線の先には……2人の子ども。
「そう、そうだぞ!もういっかい!!」
「ん、んっ」
最近ちょっとだけ歩けるようになったまだ0歳の我が子と、その両手を握りながら一生懸命歩く練習をさせている子。
「あー、微笑ましいねぇ」
「癒されますよね」
「疲れ吹っ飛ぶ、ラーゲル様たちにも見せてあげたい」
「ほんとですよ、僕らよりすごい顔しそう」
「ね、きっと鼻の下伸びてる」
「クスクスっ」
ロカ様の子…世継ぎ様とは2歳差の我が子。
世継ぎ様はいつも面倒を見てくださり、あの子のいいお兄さんとなっている。
「リシェの子が生まれてから、うちの子すっごく成長したんだよ!」と嬉しそうに話してくださったロカ様。
とてもありがたいことだし、互いにいい刺激となればいいなと思う。
「言葉はまだ?」
「まだです。なんとなく喋りたそうにはしてるので、もうすぐかと見てるんですが…」
「そうなんだ!うちも最初は〝あー〟とか〝うー〟とかそんなんばっかだったな。
そのうち〝もうわかったから!〟ってなるくらい喋りだすから覚悟しとくといいよっ」
「ふふ、楽しみです」
「うちの子もすごい話すの楽しみにしてるし、きっといい話し相手になると思う。
2人のおしゃべり聞くのも癒されるだろうなぁ」
「なに話すんだろう…子どもの会話……」
「んー…朝ごはんは何食べたとか、今日はなにして遊ぶとか……? 僕らが幼い頃ってどんな話してたんだろ、思い出せないや」
「ですね、今度里帰りしたとき親に聞いてみるのもいいかもしれませんね」
「ねーそうだねー」
紅茶と茶菓子片手に、大人組もまったりまったり。
「そういえば、次のお子の名前は決まりましたか?」
「ううんまだ、考え中」
お腹に手を当てながらロカ様が微笑む。
現在2人目を妊娠中だ。世継ぎ様誕生から2年が経ち、「そろそろ大丈夫でしょう」と医者から許しが出たらしい。
(お生まれになる頃には我が子は1歳。年子だな)
世継ぎ様は3歳か…もっと逞しくなられてるんじゃないだろうか。
弟分が2人に増えて、更にお兄さんらしくなるのかもしれない。それもまた可愛らしいし微笑ましい。
「世継ぎの責を纏うあの子の名は皇帝のラーゲル様に付けてもらうのがいいってなったから、〝次はお前が付けろ〟って言ってくださったんだよね。
ありがたいんだけど、名前考えるのって難しい……
リシェもアーヴィングに名付けてもらったんだっけ」
「はい。騎士であるアーヴィング様に名付けてもらったほうが加護があるような気がして…お強いですし、丈夫な子に育ちそうで。
それにアーヴィング様がこの子の誕生を心待ちにしてくださっていたので、それも」
「やっぱり旦那様は心待ちにしてくれるよね、出産のときもすごく心強かったし」
「そうですね。とても支えてくださったのもあって、〝最初の子はアーヴィング様に〟とお話ししました」
「次の子ができたらリシェが付ける?」
「はいっ、次は僕が」
「名前…もしかしてもう考えてたり……?」
「………実は…」
「えぇーそうなの!? すごい!
それじゃ医者から許しがでたら早速だね!
うわぁ…早くリシェの考えた名前聞きたいな、早く生まれないかな」
「あははっ、ロカ様まずは妊娠からです」
「えー待ちきれないんだけど。
リシェはどうやって名前考えたの? 参考にさせて!」
「僕はよく読書をするので、そこからですかね」
「好きな小説の主人公とか?」
「それもあったり、空想のものを参考にしたり……
ロカ様もご自身の好きなものを思い浮かべるのはどうでしょう? 出身地とか、ご家族とか」
「好きなものかー……そこを深掘りしてみようかな、ありがとうリシェ」
「いいえ、僕も次のお子様の名前を呼ぶのが楽しみです」
「ふふ、いい名を付けるねっ」
「はい。でもご無理はなさらずーー」
「ふえぇぇぇえぇぇぇ!!」
「「あ、」」
見ると、転けてしまって大泣きの我が子とオロオロする世継ぎ様。
苦笑しながら立ち上がり、膝をつきながら子を抱き上げた。
「大丈夫、すぐに泣き止みますよ」
「つよく…ひっぱりすぎた……?」
「そんなことはありません、少し疲れたのでしょう。
遊んでくださりありがとうございます」
「っ、んーん!おれもたのしかったから!」
「楽しかったの? よかったね。
リシェ、なんだか赤ちゃん眠そう?」
「そうですね、そろそろ昼寝の時間かと」
「そっか、なら遊ぶのはここまでにしようか。
ほら、ちゃんとリシェたちにありがとうして?
また遊ぼうねって」
「あそんでくれてありがとっ、また!」
「クスッ、はい、また」
ロカ様は、世継ぎ様を世継ぎ様らしく育ててはいない。
誰に何と言われようとも〝普通〟を忘れさせない育て方をしている。
「だからリシェも子ども相手に変に遜ったりするのはやめてほしい。敬語は100歩譲ったとしても、僕の見てないとこで駄目な事したらしっかり言ってやって」と。
(ほんと、同じΩとして尊敬するなぁ)
どんなに偉くても「ありがとう」や「ごめんなさい」をちゃんと言えないと慕ってもらえない。
父様のようになりたいのなら、まずは他人に優しくすること。
そんなことを教訓とするロカ様の教育は、僕も真似したいところだらけだ。
僕もロカ様のような立派な母親になれるだろうか。まだまだ新米だから、これからもっと頑張らなければ。
転んで泣いてたのが段々眠さからくる泣きに変わってきて、笑いながら立ち上がる。
これなら歩く振動で部屋に戻るまでには寝てしまいそうだ。
後は無事ベッドに下ろすことができれば…大丈夫。
小声で「バイバイ〜」と手を振りながら去っていくロカ様と世継ぎ様を見送りながら、近くにいた侍女にテーブルの片付けをお願いする。
(寝て、起きて少ししたらアーヴィング様が帰ってこられるかな)
それからお風呂に入れてもらって、寝かしつけて……
この子が生まれてからすっかり子ども中心の生活になってしまった。
でも、それも悪いものじゃない。
ーー寧ろ、楽しい。
徐々にすぅすぅ可愛らしい寝息になってきた我が子を抱き直し、自分もこれからしないといけないことを頭で計画立てながら
部屋まで ゆっくり歩いた。
fin.
名前が考えきれず名無しになってしまいました、申し訳ない……子ども中心のリクエストをいただいた際にはちゃんと考えようと思います。
現時点では世継ぎくん2歳・リシェの子0歳です。
ロカが次の出産を終える頃には、世継ぎくん3歳・リシェの子1歳・次の子0歳となります。
そうして今度はリシェがまた妊娠して…という感じで続いていくといいですね。
世継ぎくんは1人だけ歳が少し離れてるので責任感がより増すかもしれません。将来は立派な皇帝になるだろうな。
そんなことを想像しています。
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