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結局蓮の家を出たのは夕方になってからだった
俺の車がなかったから泰介さんに送って行ってもらうしか帰る方法がなかった
途中でスーパーに寄ってもらい、今日の夕食と泰介さんにお礼のお菓子を買って家に帰ってきた
久しぶりに帰ってきた割にはきれいだ
換気のために窓を開けて簡単に掃除をした
持って帰ってきたものを分けながら洗濯機に入れたあと、冷蔵庫を覗く
うん、やっぱりきれいになってる
「れんー?何回か帰ってきた?」
「うん
着替えとか取りに来て、その時に少し掃除してた…」
普段「やったよ!」みたいな雰囲気を出さない蓮が褒めてと言わんばかりに抱きついてきた
頭を撫でると満足そうに目を細めている
かわいいなぁ
しばらく抱き合っていると、もぞもぞと動いて何か言いたそうに見つめられた
「なーに?」
「帰ってきてよかった」
「うん、俺も蓮が無事でよかったよ」
ソファーに座って抱き合う
膝にのせて向き合うとどちらからともなく唇を合わせた
ずいぶんと長い間キスしていた
口だけでなく体中に優しく吸い付いていく
それは決して激しいものではなく、優しい満たされるような甘いキス
「こーた」
「うん?」
「しあわせ」
「ふふっ
そうだね」
すべてがその「しあわせ」という一言に詰まっているような気がした
数週間前、テロ組織によって日本の平穏は壊された
今までの日常はなくなり、日本中が次のテロに怯えている
そんな中で一時的に引き離されたものの、負傷することなく帰ってきてまたこうして触れ合っていることがどんなに幸せなことか。
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