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特に変わり映えしない、ただ淡々と続く毎日。
つまらない講義をやり過ごし、いつもの面々でつるんで、馬鹿の様な話しをして、酒を飲んで遊ぶ。
そして、隙間を埋めるような、真木との暇つぶし。
これからも、何も変わらないと思っていた。
この日常しか、俺は知らない。
ただ、ほんの少し変わった事が〝二つ〟あった。
一つ目は、
今までの日常に、朝の日課の様なものが増えた事だった。
基本的に同じ路線の電車で通勤している浅科さんとは、ほとんど毎朝顔を合わせる様になった。
いや、今までも意識しないだけで同じ空間に居たのかもしれないけれど。
あの、ホームで初めてまともに話をした次の日の朝、俺は自販機で買った缶コーヒーとミネラルウォーターを浅科さんに差し出した。
あの人は、笑って手を振ったけれど、それでも差し出した手を引かない俺にちょっと苦笑いして、缶コーヒーを受け取った。
それからなんとなく、朝に顔を合わせると挨拶を交わす様になった。
相変わらず、あの人を前にすると仄暗い、後ろめたさの様な物を感じた。
堕落しきった自分を見透かされる様な気がした。
それでも何故か、見かけると挨拶をした。
一つ目はただ、それだけ。
「最近、川島マジメだよなぁー」
「俺もそう思ってた!何急にいい子になろうとしてんだよお前。」
昼時で賑わう構内の学食
そのうちの一つのテーブルを、いつもの面々で占拠していたところで、駒場達が口々に言った。
「ちゃんと講義受けてるし。」
「普通じゃないの、それ」
俺の言葉にあはは、と響く笑い声、
「それが真面目だって言ってんの!ギリギリの講義しか取んなかったクセに、最近マメに学校来てんじゃん。」
「だからそれ、普通だって。」
「今までどんだけ不真面目だったんだよ、川島」
「お前らもだろ」
いつもの、変わらないやり取り。
「シマ、今日、家来いよ。昨日出たゲーム買ったからやろうぜ。」
「えー!俺らも誘えよ真木ぃ!」
真木の言葉に沸き立つ駒場。
「駒場、今日俺ら先輩と飲み会じゃん。今日は無理だろ。」
いくらか冷静な芳賀が、たしなめる様に言った。
「くっそ、先輩と飲み会とかめんどくせぇ…俺も真木んちでゲームやりたかった!」
「うるせぇな、なら明日来いよ明日。」
呆れた様に言う真木に、行く!と即答する駒場。それを見てやはり呆れ顔の芳賀。
何の変哲もない、いつもの日常。
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