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友人の椿はクラスで一番モテる。
騒ぐタイプじゃないけど、いつも人の輪の中心にいて、いるだけで華やか。
サラサラの髪。切れ長の目。高い鼻。格好良すぎる横顔。
顔だけじゃないんだ。高身長でバスケ部キャプテン。常に成績はクラスでトップ。思いやりがあり優しく人望も厚い。
硬派でクール。クラスメートの奴らがはしゃいでいても、椿は大人っぽくて落ち着いていて……
密かに憧れていた。
憧れが恋に変わったのは、いつだったか。
男子校だから中にはそういう奴もいるけど……
俺は絶対にバレたくない。
…………だって友達でいられなくなる。
拗らせた想いをそっと隠し、今日も普通の友達を演じる。
「教科書、見せて。椿」
「また忘れたのかよ。仕方ねぇな」
目を細めて笑ったその表情が、格好良くて困る。
頬づえをつき、手で隠しながら、もう一度、盗み見た。
隣に座っているだけで良い匂いするし、肩がぶつかりそう……
ドキドキしながら目の保養にしているなんて絶対に言えない。
アイドルの追っかけのような心情だ。見るだけで幸せ……
そんな平凡で幸せな毎日を崩したのは、他の友達の一言だった。
「椿、駅前で女の子に告られたらしいじゃん」
「今月、何回目だよ!」
「聞いた聞いた〜滅茶苦茶、可愛い子だったって! なんて答えたの?」
「羨ましい!」
「知り合いって聞いたぞ。付き合っちゃえば!?」
そこでチャイムが鳴り、友達は自分の席に戻っていった。
「…………どんな子なの?」
気になりすぎて聞いてしまった。
「小中、一緒で同じマンションの子。優しくて真面目な良い子だよ」
頻繁に告白されていたのは知っていた。でも、そんな風に言うのは初めて……
「そ、そうなんだ……で、どーすんの?」
緊張しながら聞いてみた。
「うん。付き合ってみてもいいかな……って思ってる」
椿の返しに目の前が真っ暗になる。
ずっと部活が忙しいから、そんな暇ないって……
男とつるんでいる方が疲れないし、楽しい……
そう言っていたのに。
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