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「朝日奈! 今日のテスト、どうだった? 今からファミレスで一緒に試験勉強しない? 英語、俺に教えてよ。パフェ、奢ってあげるから」
帰り支度をしている時、俺にくっついてきたのは、友達の青山だった。
英語は割と得意。学年で10位に入る。
青山は中学からの友達で気心の知れた奴だ。BL好きな自称腐男子。実は椿への片思いもすぐに気付かれ、引かないでくれて相談できる唯一、貴重な友達である。
……流石に、椿と一線超えた事は秘密にしているけど。
「まぁまぁかな。今日は――」
話している最中に腕を引かれた。
「悪いけど、俺の方が先約」
俺の横に立ったのは、椿だった。
「俺のノート貸してやるから、譲って」
そう言って、椿はカバンからノートを取り出した。
「え!? いいの!? 椿、どの教科も3位以内だもんな。……3位のノート! 丁寧だしポイントが分かりやすい! 明日、テストなのにノート借りるのは悪いからコピーしてもいい?」
青山はノートをパラパラ見ながら喜んでいる。
「テスト範囲でいいんだろ? 購買寄るから、少し待ってて。コピーしてくる」
そう言って、椿は教室を出て行った。
「…………約束してたんだ?」
青山が言ってきた。
「うん……」
約束はしていなかったけど。
なんか、今のヤキモチっぽかったな……
つい都合の良いように考えてしまう。
問題が一つ……
実は――関係がまだ切れていない。
椿に抱かれたあの日から、『テスト勉強』と言いつつ、毎日、椿の家に行って――――
続いている。
一回だけのつもりだった。
それなのに、次の日、『今日も俺んちに来て……』と誘われ、なし崩しにセックスしてしまった。
テスト期間中、親の目を盗んで、何度も何度も。
これ以上は駄目だと思っているのに――
目の前の誘惑に勝てない。
「…………朝日奈」
青山に声をかけられ、顔を上げる。
「うん?」
「椿とヤッた……?」
「ぶっ! ッ! ごほっごほっ!」
とんでもない攻撃に思わず咳き込む。
「な、なん……なんで」
あまりの衝撃に動揺が隠せない。
「そりゃ、分かるさ。首筋、胸元に無数のキスマーク。ここ数日、距離が近いし。お前はいつに増しても目がハートになってる……さっきの独占欲だろ? 告白したの? 付き合い始めたとか?」
そう見えたなら嬉しいけど。
「…………付き合ってない」
「あれで?」
怪訝そうな青山。
そう俺達は恋人でもなんでもない。
――ただ快楽に溺れているだけ。
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