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泣きそうになりながら、屋上に逃げ込む。
そこには昼寝をしていた青山がいた。
「…………彼女が良い子すぎて、罪悪感で逃げまわってる訳?」
一通り聞いてもらった後、青山に突っ込まれた。
「一回話し合えば?」
青山が肩をポンと叩いた。
「…………何を」
「告白したらいいじゃん」
他人事のように青山が言う。
「できる訳ねぇだろ!」
思わず怒鳴ってしまった。
「だって毎日のようにヤッてたんだろ。もしかしたら椿だって――」
「そんなの、気持ちがなくたって」
言葉にしたら、涙が溢れてくる。
「……なく……ても……」
男はそんなの、なくてもできてしまう。
「泣くなよ」
タオルを顔に押し付けられる。
「……っ……うっ」
ずっと我慢してきたものが溢れ出す。
椿と一緒にいたい――
抱かれる前は知らなかった強い感情。
やっと決意したのに。距離を取ろうとしても、一日すら保たなくて。
本当は追いかけてきてくれて嬉しかった……
期待なんかしちゃいけないのに。
諦めたい。もうやめたい。心では思っているのに、気持ちがコントロールできない。
――――椿が好き。
悲しくて寂しくて……
次から次に涙が零れ落ちる。
五時間目はとても授業を受けられる状態ではなく、サボってしまった。しかも青山まで巻き込んで。
「よし。分かった。俺と付き合う事にしよう」
「……え?」
青山の提案に驚く。
「振りだよ。俺に告白されて関係を精算したい、椿にも彼女を大事にしろって言ったら、あいつも、何も言えないだろ」
「ホモ疑惑が流れるぞ」
青山には悪いけど、良い案かもしれない。
それなら確実に関係を断ち切れる。
どうせ普通の友達には戻れないんだから。
それなら、いっそ……
「別にいいよ。彼女は他校生だし。モテすぎて告白ばっかりされて、うんざりしていたんだ」
青山がドヤ顔で話し、思わず笑う。
確かに青山もモテるけど。
「…………自分で言うなよ」
ホームルームの前、教室に戻ると、椿に肩を掴まれる。
「どこ行っていたんだよ。青山と一緒にサボってたのか?」
そう言う椿の顔が見れない。
「……椿。部活の前に屋上に来てくれる? 話があるんだ」
そう伝え、席に着いた。
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