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ずっと前から2
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「俺のことが…心配…?」
怒られるのだとばかり思っていたものだから、とても吃驚した。
「お前はいつも色んな人に囲まれてニコニコしてるけど、心から楽しそうにしてるのを見たことがない。」
そう言って距離を詰め、俺の肩をグッと抱き寄せた。
「そんな奴には必ず何か悩みがある。だから、俺はお前が心配なんだ。」
先生は真剣な目と声で言った。
そう言われて俺は、心から笑っていないことがバレていたのか と、またもや吃驚した。俺もまだまだだな。
「お前の悩みは、どれだけ女子とたくさん付き合っても自分のことを本当に好きになってくれる人が、自分が本当に好きになれる人見つからないことだと、俺は考えてる。合ってるか?」
「合ってる…」
本当に合っていた。驚いた。
俺のことを好きだっていった女子たちも、結局見ていたのは俺の見た目だけで、いつも 思ってたのと違う とか言われて別れる流れになる。
ーー俺の全部を見ても愛してくれる人を
ずっと探してるーーーーーーーーーーー
そしてそんな人が現れたなら、俺もきっと心から愛せるだろうと期待しているのだ。どうして先生はこんなに俺の考えていることがわかるのだろう。
やはり大人だから人生経験が豊富なのだろうか、それとも、先生が人の気持ちに敏感なのだろうか。
ほんの少し話しただけなのに、この人なら信用できると本能がそう感じたから、それから俺は先生とよく会話をするようになった。
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