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生徒会長選7〜北上視点〜
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なんであんなこと言っちゃったんだろう。
僕は今すごく後悔している。
「どうかした?北上…」
望月君が僕に喋りかけてきた。
首を傾げるのにあわせてサラリと髪が揺れる、顔にかかったのをかきあげるのも、やっぱり格好いい。
でもいつもの笑顔はやっぱりそこには無くて…。
なんだかもう足がすくんで、言葉が上手く出ない。
普段微笑んでいる人から、表情が無くなるのは、こんなにも怖いのか。
「僕はどうしても生徒会長になりたいんだ、だから…」
言葉が出ない分、怖いけど望月君の目をちゃんと見た。
真剣だとわかって欲しかったから。
それなのに望月君は
「そんなこと言われても、俺だって生徒会長に成りたくて立候補した訳だし、選ぶのはみんなだからねー」
と、笑顔で軽く返してきた。
「それは…そうだけど…」
本当のことだから、何も言えなくて……
これだから僕は……………………
僕が黙りこんでいると、沈黙に耐えかねたのか望月君が
「そもそも何で生徒会長なんかに立候補したの?北上って目立つことが嫌いなんだと思ってたけど。」
と聞いてきて驚いた。
言葉に棘があって、スグに嫌味だってわかった。
でも…
僕の存在把握してくれてたんだ………ちょっと嬉しいかも。
…嫌味言われて喜んでる僕って……………
まあいいや……話してみよう………
なぜかわからないけど、望月君なら聞いてくれると思った。
「……僕ね…」
なんとか声を絞り出した。
「好きな人が、生徒会長やってたって聞いたから…その人にちょっとでも追いつきたくて…」
ここまで言葉にしてすごく恥ずかしくなって顔に熱が集まった。
きっとみっともない顔してる……
望月君は一瞬僕を見つめた。
こんな理由だから笑われるかな?って思ったのに…………………
「俺と同じだね。」
少し寂しそうな顔をして言った。
「え…?」
今度は僕の頭の中は驚きでいっぱいになった。
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