アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
やつの想い7
-
コンコンとノックする音が聞こえる。
さっきから浅い眠りを繰り返してる頭には中々辛い音量だ。
ノックするだけマシかと思うかもしれないけど、今さら気を使ったって、修正されるような関係じゃないのは向こうだってわかってるだろうに。
しばらくして、しびれを切らしたのか俺の返事なしに部屋に入ってきた。
「慎也、調子はどうだ?」
話す気なんて無いから、俺は寝たフリをし続けることにした。
そっと俺のベッドに近づいてくる。
「よくなさそうだな………」
多分、今こいつは俺の顔を覗き込んでいるのだろう。
耳に息がかかって気持ち悪い。
「お前が元気ないと、寂しいよ。」
……………………は?寂しい?
突然囁かれた言葉に、驚いて、目を見開いてしまった。
目を開けると互いの顔がやたらと近くて、また驚く。
「やっぱり起きてたのか、イジメがいがないってこと。」
穏やかな笑みを浮かべて、そんなことを言う。
「そ、う…」
慈しむような視線を向けられて戸惑う。
「早く良くなれよ。」
そう言って部屋から出て行く後ろ姿は、まるでいつもの様子とは違って、なんだか優しかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
82 / 84