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なんで言わねぇんだよ!
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赤司と紫原を、俺たちは呼び出した。
黄瀬と緑間が動けないので、病院に。
ふたりはいろいろ話し合うために同じ病院へと移っていた。
ふたりを見た赤司と紫原はかなり驚いて、どうしてこんなことになったのかと聞かれた。
俺は、それを話すために呼んだ。
「これは、俺らのせいだ」
「どういう意味だい、大輝」
赤司の問いに、俺は黄瀬と緑間の方を見ながら答えた。
「あいつは……、テツは、なにもしてなかった。無実だったんだ」
「なんだと?」
「でも、黒ちんが自分で言ってたじゃんかー」
「嘘だったんスよ。俺らを守るための」
「嘘をついてなんになる。黒子にはなんの得もないだろう。現に、あいつはあんなことになった」
「すべての元凶は、白川だ。あいつはテツをはめて、テツは俺らを守るために……」
俯き、後悔の色を見せる黄瀬。
俺も、かなり後悔していた。
緑間も、悔しそうに拳を握る。
そんな俺らの反応に、赤司と紫原もようやく信じたようだ。
「黒子は……、テツヤは……」
「まぁ、黒ちんじゃないとは思ってたけどねー」
「は!?」
紫原の発言に、俺は思わず大声を上げる。
「どういう意味だそりゃ!」
「んー? だって白ちん、笑ってたしー」
「笑ってた?」
「黒ちんが変な笑いで変なこと言ったあの日、白ちん俺の体に隠れて黒ちんになにか口パクで伝えてたし、すごい嫌な感じで笑ってたー」
「おま、なんでそれを早く…………」
掴みかかると、紫原はいつもの無表情で答えた。
「だって、そんときはおかしな黒ちんの方が気になってたし、気づいたのは黒ちんがいじめられてるの見たときだしー。黒ちん無抵抗で殴られたりしてて、面倒だから見て見ぬふりしようとしたら、黒ちんすごい安心した顔で笑うからさー。あ、黒ちんはやってないんだろうなーって」
「なんで言わねぇんだよ!」
「だって、勘だったし。確証ないし。なにより、今更どうもできないでしょ。裏切ったのは俺たちの方だもん」
「だからって……、せめて黒子っちの支えになってやるとか、いろいろあるじゃないっスか!」
「そうしようとしたら、黒ちんがミスディレクションで隠れるようになっちゃって、そのまま」
あくまで淡々と答えた紫原に呆れた俺らは、テツに謝りに行きかけたが、それを黄瀬は止めた。
「黒子っち、まだ俺らのことトラウマみたいで、全員で行くのは後日の方がいいと思うっス。黒子っちには事前に電話しといて、心の準備をさせないと、過呼吸とかになるかもなんス」
「それもそうだな。後日にするか」
それで、俺たちは解散した。
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