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俺が勝ったら
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陽泉との練習試合の当日。
俺たち霧崎第一は陽泉高校の体育館に来ていた。
準備は出来ている。
いつでもあいつらを潰せる。
しかし、一番の目的であるキセキの世代紫原敦が言ってきた。
「俺と1on1してくんなーい?」
正直耳を疑った。
なにを言っているんだこいつは。
「は? これは練習試合だろ?」
「ちげーしー」
間髪入れずに否定してきた紫原。
「これはあんたが俺に復讐するための場所でしょ? でも、みんなは関係ない。だから巻き込まないでくれるー?」
それに、俺は思わず嗤う。
「だから、1on1なのか?」
「そうだよ。あんたが勝ったら俺を好きなだけいたぶっていいよ。でも、俺が勝ったら、黒ちんのお願い聞いたげて」
「………………は?」
一瞬、言っている意味がわからなかった。
なぜこいつに言われなければいけない?
おまえらがテツヤをあんな風にしたくせに、なにを言う?
「黒ちんは、あんたがこれ以上壊れてしまうのが嫌なんだって。だから、もう復讐とかやめて、黒ちんに会いに行ってあげてよ」
「おまえに…………。おまえらなんかになにがわかるってんだ!?」
俺は思わず怒鳴っていた。
「一番大切な人間があんな風にされて黙ってられるわけねぇだろ! こっちの腹の虫がおさまらねぇよ! いいぜ。1on1しようじゃねぇか。それでてめぇに、敗北と死をやる」
「な!? 敦に死ねって言う気か!?」
俺の言葉に反応して、誰かしらねぇ奴がそう言う。
「大丈夫だよ、室ちん。勝つから」
紫原が室ちんとか言うのを止めた。
それに仕方なく引き下がるが、鋭い目つきで室ちんとやらは睨んできた。
「さっさとやるぞ。先に十点取った方が勝ちでいいな」
「いいよー。負けないし」
そして、紫原との1on1が始まった。
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