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高校生雅視点 煙草2
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「なっ、、」
慌てて火を消そうとすると、
「あー大丈夫だよ誰にも言わないし。取り敢えず一本頂戴?」
優がこちらに手を差し出す。
戸惑いながら箱を差し出すと、優はスッと一本抜き出し、
スウェットのポケットからライターを取り出す。
慣れた動作に少し驚いた。
「優も吸うのか?」
優はタバコに火をつけながら言った。
「うん。少しね。だから俺も共犯。」
「てか雅がタバコ吸ってるのは家入ってすぐ気づいたけどね。」
「、、、、そうか。」
ふと気になって尋ねる。
「優はどうして吸い始めたんだ?」
優は煙を吐いて、少し考えるようにしてから答える。
「んー、うちの親二人ともまあまあ優秀な人でさ、それ故に俺の能力を過信してるっていうか、、、期待が凄いっていうか。ずっと息苦しかったんだよね。雅からしたら、
その程度でって思われるかもしれないけどさ」
「この髪の紫もその一環かな。美容師になりたいのは本当だけど、親から、見放されて、解放されたかったんだ。」
一緒にベランダの手すりにもたれながら、悲しそうに笑う。
その笑顔が苦しそうで、痛そうで。
きっとそうして今までも、自分の心に折り合いをつけてきたのだろう。
「思わないよ。その程度でなんて。辛さも痛みも、本人だけの物なんだから。」
俺がそう言うと優は、こっちを向いて笑う。
「雅にそう言ってもらうと、なんか救われた気がするよ。」
俺も笑った。
「そうか、奇遇だな。俺もだよ。」
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