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18歳以上ですか?
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一本の電話
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桐生先生からの許可が降りたことにより、昨日の今日でうちに転院してきた皆川魁くん。
間もなく卒業を控える高校3年生の18歳だ。
出張中の桐生先生に代わって俺が挨拶や手続きをしたのだけれど、お父さんもかなりダメージが大きい印象を受ける。
話によると父子家庭で経済的余裕がなく、ほぼ休みなく働いているのだそう。
問題の皆川魁くんは今でこそ薬の作用で眠っているが起きたら手を付けられない程に暴れるんだとか。
だから、起きないように断続的に薬を打たれていたと。
つまりは寝たきりにさせられていたようで。
それもそのはずだよ。こんなに痩せて頬なんてこけているじゃないか。
18歳の子、相手にする処置じゃないでしょ…。
精神科医の朝霧先生とはほとんど会話したこと無かったけれど、穏やかな雰囲気で話しやすい人。
カウンセラーではないのに精神科医だからか、話しているとどこか落ち着く。
「責任を持って治療させていただきます。お父様も、どうか負けないで」
頑張れなどの励ましは精神科医として絶対にやってはいけないことだと言っていた。
励ましどころか頑張れと言うと突き放し、見捨て、追い詰めることに繋がるからだそうだ。
言葉通り、頑張れとは言わないんだなぁ。
「よろしくお願いします」
お父さんも精神的にキツいと思うよ。
家族は魁くんと自分だけで、2年ほど前からまともに会話できていないんじゃ不安も募るだろう。
お父さんの不安も取り除けたら一番いいのにね。
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