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それからの日々のことはよく覚えていない。ただ言われた通りのことをして、新しいことを覚えさせられただけ。最近はだんだんと俺を抱きにくる男たちの顔を覚え始めてきたところだ。
今日のおじさんは舐めるのが好き。
きのうのおじさんは俺の自慰を見るのが好き。
その前の人は……
ただ、それだけの毎日。それ以外は何も無い。
涙がようやく止まった頃、俺は重い体を起こしてシャワールームに向かう。汚い。汚い。どんなに洗っても落ちない汚れが見える気がした。男たちの舌が這った跡や撫でられた軌跡が今もくっきりとこの体に残っている。
あの日、男たちが綺麗だと言った体はたくさんの男に弄ばれ、すっかり汚れてしまった。
「ご苦労さま、ユキくん。明日もあるから早く寝てね」
「…はい」
事務所に帰り、稼いだお金を全て島木さんに渡す。それがここに連れてこられた俺の仕事だった。
「なかなか減らないねえ。パパとママが残してった借金。ユキくんには死ぬ気でお仕事してもらわなきゃな」
「あ、死んでもいいよ」と笑いかける島木さんを無視して事務所を出る。なにが、死んでもいいだよ。
俺って一体、なんなんだよ。
きっと俺が死ねば、やつらの事務所に莫大な保険金が入るようになっているのだろう。そんなの悔しいから絶対に死ぬもんか。
涙が出そうになるのを堪えながら俺の家に向かって歩いた。
今の俺の家は事務所の地下に作られたキャストルーム。そこで、俺と同じような境遇の少年二人と一緒に生活している。
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