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現れたのは想像していたのとだいぶ違う人物だった。
いつものような中年太りでいやらしい顔のおじさんではなく、すらっとした体型の男。四十歳くらいだろうか。いや、もしかしたらもう少しいっているのかもしれない。
「うん。写真で見るより本物の方が綺麗だ」
「…は?」
「島木くんがどうしてもっていうから遊びに来たんだけど、君となら楽しめそうだね」
なんだか、この人怖い。
高そうなスーツに身を包み、作り物みたいに綺麗な笑顔を浮かべるこの男からなんともいえない恐怖を感じた。
「…さ、先にシャワー浴びてきて下さい」
「君は一緒に入ってくれないのかい?」
「お、俺は…っ…もう入ったんで」
つっかえながらそう答えると、椎葉さんがくくっとおかしそうに笑った。
「見ればわかるよ。からかってごめんね」
「なっ…!」
たしかに俺の今の格好はホテルに備え付けられていたバスローブ姿。これで風呂上がりじゃないと言うのならなんだっていうんだ。からかわれた悔しさと、真面目に答えてしまった恥ずかしさでふいっと顔を逸らす。完璧にこの人のペースに飲まれてしまった。最悪だ。
「…いいから、早く入ってきてください!」
「はははっ。そうだね、そうするよ」
ひらひらと手を振る椎葉さんの背中がバスルームに消えたのを確認し、そのままぼふっとベッドに倒れこんだ。
なんなんだよあの人。
どう対応していいかわからない。
何を考えているのかもわからない……
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