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「おや。準備万端なのかな?」
「!」
何時の間にバスルームから出たのだろう。音もなく近寄って来ていた椎葉さんの声に飛び上がり、慌てて起き上がった俺を見て椎葉さんがまたふっと笑った。
う、わ……
近い距離でばっちり目が合ってようやく気付く。この人は、ものすごく整った顔をしている。力のある瞳にすっと通った鼻筋。到底男を買うような変態には見えない。
なんでこんな人が……
「ん、見惚れてるのかな?」
「あっ、ちがっ…!」
「残念。私は君に見惚れてるのに」
「な、なに言ってるんですか…」
慌てる俺をよそに椎葉さんも俺の隣に乗り上げてきて、そっと腰に手を回された。大きな手で引き寄せられて体が密着する。風呂上がりの体温といい匂いが心地良いと感じた。
「本当のことを言ってるだけだよ。歳はいくつ?」
「…ハタチです」
「ここで働いて何年になるの?」
「えっと…二年くらい、かな」
「ふぅん。前はどこらへんに住んで…」
「ちょ、ちょっと!」
次々に投げかけられる俺への質問。そんな事これまで聞かれた事が無いし、気にしてもらった事も無い。初めての状況に戸惑った気持ちを落ち着かせてほしくて、俺は無理やり椎葉さんの言葉を遮った。
「そんな、いっぺんに聞かないで下さい」
「ああすまない。つい夢中になってしまった」
そう言うなりぐっと密着度を高められ、さっきよりも強く体同士が重なり合った。なんだか恥ずかしい。椎葉さんの顔を見られずに俯いていたら、静かに伸びてきた彼の手が俺の顎をくすぐった。
「俺のことは、どうでもいいから…その」
「ん?誘ってくれてるのかな」
「…仕事なので」
「それは残念だ」
「キスは有り?」と尋ねてくる椎葉さんに、黙ってこくんと頷いた。
「顔を上げて…」
「ん…」
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