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ナカムラさんとのオシゴトを終え、机の上に置かれた数枚の万札を丁寧に仕事用の財布にしまう。最初の頃はこの黒革の財布が大っ嫌いだった。俺の体の値段分のお金が溜まっていくこの財布が。
「…準備しなきゃ」
二年も使ったおかげでだいぶ慣れたその財布をカバンにしまい部屋を出る準備をする。さっき事務所を出てくる時に島木さんから今日のオシゴトは二件だと言われた。
ナカムラさんとひと通りセックスして重だるい体に喝を入れながらシャワーを浴び、着て来た服に着替える。次のお客様とは別のホテルで待ち合わせだ。
島木さんがお客様に指定するホテルは三つあって、どこもオシゴトでの往復を考えてそれなりに近いところにある。
勿論俺たちキャストを送迎してくれる運転手なんているわけないからいつも移動は歩き。一日に二件以上だとさすがにこの距離もきつい。でも、仕方ない。
今日も、だるいけど頑張ろう。
そう思ったのに。
「…なんで?」
「やあ、お疲れさま」
ナカムラさんとオシゴトしたホテルを出た瞬間、目に飛び込んできたのは相変わらずな笑顔の椎葉さんだった。
「島木くんに連絡したらユキくんはもう外に出てるって聞いたからね、さらいに来た」
「いや、わけわからないです。俺まだオシゴトあるんで椎葉さんと話してる時間は…」
「それも知ってる。次はあのホテルだろう?乗せて行ってあげる」
そう言って椎葉さんがドアを開けた車を見て驚いた。さっき椎葉さんが指差したホテルが当たっていたことよりも驚いた。
椎葉さんの後ろにあった白くてピカピカの車は誰もが知っているであろう高級車。ベントレーのコンチネンタルGTだったから。
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