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「ん…」
不意に感じた頬に何かが触れる感覚に重い瞼をこすりながら目を開けると、見たことのない景色がぼんやりと視界に広がった。
「起こしちゃったか、ごめんねユキくん」
声がする方に顔をずらすとそこには椎葉さん。どうやらまだ車の中みたいだ。
「俺、寝てた…?」
「うん。寝顔可愛かったからついこうして眺めさせてもらったよ」
「ごめんなさい…せっかく迎えに来てもらったのにこんな…」
「寝起きのユキくんはなんだか素直だね」
そう言って椎葉さんが俺の左頬にキスをした。その感触でさっき感じたアレもキスだったことに気付く。
「…っ」
セックス中以外にキスされるのなんて初めてだったから、思わず顔がカーッと熱くなる。こんなに優しく人と触れ合うのは久しぶりだった。
「あ、あの…ここは…?」
「ユキくんたちの住む家からはちょっと離れた所。本当は夕食でも一緒にと思ったんだけどね」
椎葉さんが突然車を降りたので俺も慌てて車を降りる。外は真っ暗で、ここがどこかなんてさっぱりわからなかった。
「島木くんからお酒も飲ませるなって釘を刺されたから、これくらいしか思いつかなかったよ」
「…わ」
暗い中取り残されるのが嫌で前を歩く椎葉さんに急いで着いて行った。暗闇の中を少し歩くと一気に開けた所に出る。
そして一面に広がる夜景。オレンジや青の光がキラキラと暗闇の中に浮かんでいた。
「女性じゃないからこんなもの嬉しくないかもしれないけど、綺麗だろう?」
「…はい、とっても」
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