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飲みは、普通に楽しかった。
話をしてみると、同じ高校の先輩後輩だという事が分かって多いに盛り上がった。
「ええー?!先輩だったんですね!」
「でも年齢的には全く被らないけど・・・部活棟ってあった?」
「ありました、ありました!」
運動場の端に、野球、サッカー、テニス、陸上、弓道部のプレハブがあった。
「あれ、俺らのときに建ったんだよ。」
「そうなんですか!おれ、弓道してました。」
「ああ、お隣だな。陸上だった。」
公立だから先生は被らないけれど、同じ建物だから話題は尽きない。
ご飯も美味しくて、ビールも進んだ。
「日本酒、飲む?」
「あ、舐めるくらいしか飲めないです。」
「いいよ、じゃあちびちび飲んで。」
「はい!」
日本酒と一緒に出てきたお塩を舐めつつ、辛口の日本酒を頂いた。
「また誘っていい?」
「もちろんです!」
不思議なことに、仕事の話は全く出なかった。
普通は仕事の話抜きって言われても、どうしても話題がのぼるのに、学生時代の話が盛り上がってそんな話にならなかった。
「本当に楽しかったです!」
これは、おれの心からの言葉。
「良かった。よければ携帯教えて。」
「良いんですか?」
「プライベートなんだから良くない?」
仕事用の番号じゃなく、個人携帯の番号を教えた。
「家、この近くなんですか?」
「そうそう。ここからは見えないかな、向こうのマンション。」
へぇ。
「じゃあ、電車で帰ります。」
「気をつけて!」
仕事じゃないってことで割り勘で支払って、気分良く帰った。
その時は、分からなかったんだ。
誰かからつけられてる、なんて。
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