アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ろく
-
始業時間2分前を切った今、冬弥先輩も弥生先輩も既に会議室を出ていった。
「類、なにしてんの」
それなのに、ただ雅也の居る教室に帰りたくないからって俺はまだここに座ってる。
「ちょっと…帰りたくないんです」
「ふーん、じゃあ俺の仕事手伝う?俺なら特権でお前の授業免除できるけど」
きっと高校一年生としては失格。
だけどこの好意に甘えたかった。
「…お願いして、いいですか」
「ん、了解。お前担任誰?」
「あ、笹山(ササヤマ)先生です」
「おっけ、じゃあ職員室行ってくるから良い子で待ってろよ?」
その時、くしゃっと頭を撫でられた。
_会長の足音がどんどん遠のく。
「…くっそ、顔面の暴力すぎるって」
撫でられた時少しにやっとした会長の笑顔が、俺の熱を逃してはくれなかった。
==
「あ」
始業のチャイムだ。
海斗とかになんも言わずに逃げたんだよなぁ…
戻ったら質問攻めにされるのが目に見える、、
雅也は………いや、考えるのやめよう。
雅也の事考えるくらいなら相沢さんのこと考えよう。
髪の毛サラサラで、目もおっきかったな。
俺より10cmくらい低いのかな。
…うん、いわゆる"理想の彼女"じゃん
きっと彼女なら楽しい。
「おっ、ガチで居た」
少し考え込んでいたらもう会長が帰ってきた。
「居ますよ、そりゃ」
「んで、何。お兄さんに話してみ?」
「…何が、ですか」
「気づいてるくせに。いつもは会議終わったらすぐに教室帰ってってた癖に今日に限って帰りたくないなんて…何かあったと思うのは普通でしょ」
…それは、昨日までは雅也に会えるのが嬉しかったから
でも…
「…好きな奴が、他の人と付き合いだして」
「あー、それで辛いから帰りたくないと」
「…馬鹿みたいな理由ですよね、会長には理解できないでしょう…」
「いや俺だって失恋はしてるから」
「え、絶対嘘ですよね。そんな顔面偏差値高すぎの会長に落とせない人なんているんですか、?」
同じ男の俺でもドキドキしてするくらいかっこいい彼に落ちない人なんている訳…
「そうなんだよなー、さっさと俺に惚れればいいのに…相手は彼女作りやがってよ、あー早く俺んとこ来ないかな」
「そうなんですか…………ん?会長、今"彼女作った"って言いました?」
あれ…?
てことは………
「あ、やべ。まぁいいか…何、類は抵抗あんの?」
「いや、それに嫌悪はないですけど…なんか意外で」
会長の事だから可愛いor美人の女子に相手にされないってことかと…
女子相手なら幾らでも付き合いたいって人いるのに。なんか勿体ない。
「んー…俺も意外。こんな面倒臭い恋なんてさっさと捨てたいのに、その気持ちを覆い被さるくらいにはあいつに惚れてんだよ」
「へぇ…」
同性でも、こんなに一途に想ってくれる人居るんだ…
良いな
会長に想われてる人は
早く会長のこと好きになればいいのに
この人ならきっと一生をかけて幸せにしてくれるのに
「…羨ましいですね、会長にそこまで一途に思ってもらえている人は」
「俺もそう思うよ、なんであいつは俺を見ないんだろうってね」
「そうですか…」
「「………」」
き、気まずい。
そもそも会長とこういった恋愛話をすること自体が違和感だよな…
「…まぁ、そんな話は置いといて。せっかく類がここにいるんだし手伝ってもらおうかな」
そう言って右手に持つ書類をピラピラと見せつけられる。
確かに俺は置いてもらってる身…
「分かりました、どれをすれば?」
「んじゃ、まずは……」
_ それからは会長と2人でずっと書類整理に明け暮れた。
時刻はもう午後17時を指そうとしていた。
「ふぅ…終わったか?」
「はい、なんとか…」
「そうか…良くやった」
そう言って、また俺の頭を撫でる。
「…会長って頭撫でるの癖なんですか?」
「ん?いや別にそういう訳じゃねえけど類にはしたくなんだよ」
「な、なんですかそれ…」
び、びっくりした…
不意に言われてドキッとしてしまった、、
くっそこの顔面暴力者が!!!
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 34