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談笑
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5月に入って、ちょっとずつ暖かくなり始めた頃。新しいクラスでも友達が出来て、グループが出来て、いつものように昼休みに皆で談笑してた。その話の中に、たまたま神屋の話題が出てきた。
「あいつさ、あれストール校則違反じゃねえのかな?」
「いやどう考えても駄目だろ。何か特別な事情あんじゃねえの?」
そんな会話。俺はあくびをしながら聞いていた、超絶眠かった。
「山澤ー、神屋に聞いてきてよ」
「………は?????」
……何とおっしゃいました?
この俺に、あの根暗野郎と話してこいと?無理、いや無理だろ普通に、無理無理。
「俺別に興味無いし、なんで俺が聞かなきゃなんねーの」
「えー、いいじゃん、お前顔だけはいいし、超絶笑顔で話しかけたら答えてくれるって」
「いや、その理屈はおかしい、てか顔だけはってなに。性格も良いわ馬鹿野郎」
そう言うと、皆手を叩いて笑う。そう、俺はこういうテキトーにノッてくれるやつとテキトーに話してるのが1番楽なの。喧嘩とかめんどくせえし、ややこしいこと嫌いだし。だから、神屋と話すのとかはマジ勘弁。なんか、めんどくさいことになりそうな気しかしない。
「いやー、ほんとに俺無理だわ、パス。眠いし。」
「山澤、聞いてくれたら飯おごる」
「いや、そこまで困ってねえよ金に、お前ら俺のことそんなに好きなの?大丈夫、俺も好き」
そう言うとまた皆爆笑する。
うんうん、やっぱこういうのが1番。楽。できるだけ友達に嫌な思いさせないよーに、でも自分も嫌な思いしないよーに。俺は上手いやり方を知ってるから、いっつもそーやって友人関係を保ってきた。
だからかな、親友と呼べる友達が思い浮かばない。何でも話せて、遠慮なしに接することができて、こいつだけは何があってもずっと友達だ、ってやつがいない。
別に、悲しくなんかはねえよ?
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