アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
お家
-
「近っ」
ここまで来る道中、ちょっとだけお互いのことを話した。俺の名前知ってるー?とか。誕生日はいつだー、とか。趣味とか。そんな他愛のない会話を、普段誰とも喋らない神屋とした。俺は、そんなことにちょっとした優越感を覚えた。
んで、神屋の家に着いてまず思ったのは、一軒家なんだなー、とか、意外とでけえなー、とかより俺の家と近いなーってこと。いやだって、こっから歩いて10分くらいでおれんちだもん。
そんなことおもってたら、神屋がまた俺の服をギュッと掴んできた。
「今日はほんとありがと…助かったよ」
相変わらず無愛想な顔で喋るなあこいつ。とか思いつつ、ちゃんとお礼くらいは言えるんだなとか思っちゃったよゴメンね神屋。
「明日からも送っていってやろうか?」
「……え」
俺がそう言うと、神屋はまたポカンとした顔で俺を見る。
「…なんで?」
「心配だから」
さらにポカンとする神屋。そりゃそうだわな、いきなりすぎるよな。でもなんか、なんだろ、心配するし、…気になる。
さっき、神屋が見せた泣きそうな顔が忘れられない。なんかわかんねえけど、もっとこいつの色んな顔見てみたいと思った。…仲良くなりてえなーって。
そう思って神屋の顔をジッと見ていると、神屋は何故かむすっとした顔をして俯いてしまった。
「…俺女じゃないから。そこまで心配してもらわなくても大丈夫だよ」
「じゃあ、さっき俺がきてなかったらどうなってたと思う?下手したら、あのまま殴られてたんじゃねーの?」
「あれは…っ、ちょっとびっくりしただけで…」
神屋がさらに拗ねた顔をする。お?ちょっと、かわいいなこれ?いじりたくなるよね?ね?
ん?別に俺性格悪くないよ?
「ちょっとびっくりしただけで、あんな泣きそうな顔してたわけ?全然説得力ないんですけど?」
「おまっ…!!」
バッと顔をあげて、こっちを見てくる。怒った顔で。コロコロ表情変わるなあ、こいつ。面白いなあ。なんか子どもみたい。
とか思いながらニヤニヤしてたら、神屋がいきなり俺の身体をドンッと押してきた。それから、キッと(上目遣いで)睨んで
「〜っざけんなよ!!なにお前、嫌い!!ほんとムカつく……っ!!!」
って言って、小走りで家の中に入ってちゃった。ドア閉める時とか、ものすごい音してた。でも、ごめん神屋、全然怖くなかった、っていうかもっと虐めたくなっちゃった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 43