アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
待ち伏せ
-
「よお、神屋」
……何でこいつがここにいる………。
はい、神屋です。昨日、不良に絡まれました。何故かというと、俺の目つきが気に入らなかったらしいです。いや、元からこんな目なんですけど、別に睨んでたわけじゃないんですけど、あー不良だーとか思って3秒くらい見つめてただけなんですけど。
だけなんですけど、怒った不良3人は俺を人っ気のない路地へ連れていき、なんかよくわからんことを言ってた。俺はめんどくさいから、俯いて聞き流してた。
そんな俺の態度が気に食わなかったのか、1人の不良が俺の首を掴んできた。
その瞬間、俺は昔体験した、忘れられない恐怖を思い出してしまった。今までの余裕は、瞬く間にどこかへ吹き飛んだ。
背筋に悪寒が走って、身体が震えて、手が汗ばんで、息がまともにできなくて、涙が出そうになった。頭ん中が真っ白になって、何も考えられなくなって、ただ、必死に、心ん中で「助けて、誰か、誰か助けて」って叫んでた。そんな時に、
「あれ?神屋、何してんの?」
誰かの声がした。
その後、不良とその誰かが喧嘩してたけど、俺は荒くなった息を整えるのに必死だった。不良が叫んだりしてたけど、どこか遠くで叫んでるように聞こえた。
「…おーい、大丈夫かー」
気づいたら、不良はいなくなってて、その誰かに話しかけられた。けど、俺はまだボーッとしてて、頭まわんなくて俯いたままだった。そしたら、その誰かが、「ま、きいつけて帰れよー」って言って、帰ろうとした。そこで俺はやっと意識がハッキリしてきて、瞬間的にお礼を言わないとって思って、そいつの服を掴んだ。
顔をあげて見たその顔は、見覚えがあった。同じクラスのやつだ。名前は知らないけど。学校で誰とも喋らない俺でも色んな噂を聞くくらいの有名人。スタイル良くて、顔も整ってて、誰とでも仲良くできる、学校のアイドル。よく誰かと付き合ってるとか別れたとか、こいつのことを好きだとか言ってる女子とか、そんな話が嫌でも耳に入ってくる。
ああ、そう、思い出した、こいつの名前はたしか…
山澤 平助。
お礼を言った後、何故か送ってもらうことになって、俺の家に着いたら、明日からも送っていってやろうかとか意味不明なこと言い出すし、ニヤニヤしながらおれのことおちょくってくるし。ムカつきましたよね、そりゃ、ええ。助けてもらったのは、ほんとありがたかったけど。けども!!あんなおちょくられたら!!嫌いにも!!なるよね!!!
だから、嫌いって言って、山澤を突き放して家の中に飛び込んだ。お見送りなんていりません、という意味を込めて。
その次の日、つまり今日。流石に昨日あんだけ言った甲斐があったのか、山澤は学校が終わったら俺のことなんて気にせずにスタスタ教室を出て行った。俺も特に気にせずに、教室を出て行った。んで校門を抜けた所で、ヌッと背の高い人物が俺を通せんぼしてきた。ああ、一瞬で誰かわかったよ。でも、何でかな?ん?
山澤君。
何 で 今 俺 の 目 の 前 に い る ん で す か?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 43